株式会社Shido 調査レポート

古物商業界マーケティング資料〈関西2府4県/リユース・買取・古物営業〉

作成 2026年10月対象 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山の古物商(リサイクルショップ、ブランド・貴金属買取、古着、書籍・メディア、家電・家具、時計、フリマ・ネットのリユース事業者、出張買取)。中古自動車は別資料テーマ リユース市場の規模と消費者行動・許可件数・事業所の構造と需要基盤・金相場と調達・競合チェーン・買取の集客と広告費・古物営業法と訪問購入の規制主な根拠 リユース経済新聞/環境省/経済産業省/警察庁/国民生活センター/消費者庁/総務省(経済センサス・国勢調査・人口移動報告)/観光庁/近畿運輸局/田中貴金属工業/上場リユース各社のIR資料

国内のリユース市場は、リユース経済新聞の推計で2025年に3兆4,636億円(前年比+6.2%)となり、2009年以降16年連続で拡大しました。2023年からの2年では、店舗販売が+15.6%と、ネットBtoC(+7.6%)やCtoC(+8.7%)より伸びています。一方で、中古品を過去1年に買った人は約3割、売った人も約3割で、経験者の裾野は広がっていません。市場を押し上げているのは、ブランド品(+16.9%)、トレカ・玩具(+16.0%)、スマホ(+13.7%)など高単価の品目です。古物商の許可は全国で615,194件(2025年末)に達し、毎年4万件超が純増していますが、府県別の件数は公表されていません。経済センサスでみる関西の骨とう品・中古品小売業(法人)は526事業所で、47.9%が大阪に集まります。仕入れ(買取)は相場で動き、金の年平均は2020年の6,122円/gから2025年に17,302円へ上がりました。出張買取は広告で獲得する事業で、BuySellの出張訪問1件あたりの広告費は2026年上期に29,943円です。規制面では、出張買取に訪問購入のルールと8日間のクーリングオフがあり、相談は年7,500件前後に及びます。本資料は、関西で古物商を営む事業者、参入を考える方、その広告を担う側に向けて、これらを出典付きで整理したものです。

3.46兆円
国内のリユース市場規模(リユース経済新聞、2025年)。前年比+6.2%、16年連続の拡大。環境省の消費者購入額(自動車含む3.50兆円)とは別の物差し
61.5万件
古物商等の許可件数(全国、2025年末)。前年から4.2万件増。2020年に集計単位が変わり、以前の78万件とは比べられない。府県別は非公表
526事業所
関西6府県の骨とう品・中古品小売業(2021年、法人のみ)。全国の14.3%で、大阪が252(47.9%)
17,302円/g
金の国内小売価格の年平均(2025年、税抜)。前年比+47.7%、2020年(6,122円)の2.8倍。2026年9月の月平均は21,953円
29,943円
BuySellの出張訪問1件あたり広告宣伝費(2026年上期)。2019年は14,509円。広告費は連結売上の12.3%
7,523件
訪問購入(出張買取)の相談件数(2025年度、国民生活センター)。2023年度の8,623件がピーク。クーリングオフは書面受領から8日間
CHAPTER 1

市場の全体像 ── リユース市場は3.5兆円。16年連続で拡大、物差しは2つある

古物商の取引は、店舗での買取・販売、事業者のネット通販、フリマアプリなどの個人間取引(CtoC)に分かれます。市場規模には「事業者の販売額」(リユース経済新聞)と「消費者の購入額」(環境省)の2つの系列があり、定義が違います。本資料は両者を混ぜず、別々に示します。

リユース市場規模の推移(リユース経済新聞推計) 単位:億円、暦年。国内小売金額ベース。自動車・住宅・法人間売買・輸出は含まない。2009〜2023年は環境省『令和6年度リユース市場規模調査報告書』に転載された値(出典はデータブック2024)、2024・2025年は同紙の各年推計記事。
2009年の1.13兆円から2025年の3.46兆円へ、16年で3.07倍(年平均+7.3%)になりました。2024年は+4.5%、2025年は+6.2%(前年比)で、2009年以降16年連続の拡大です。同紙は2030年に約4兆円、2040年に5兆円規模の可能性を示しています(予測値)。2009〜2023年の値が後年の推計で改定されたかは確認できていません。
販売チャネル別の市場規模 単位:億円、暦年(リユース経済新聞)。
店舗販売(BtoC)ネット販売(BtoC)CtoC(フリマアプリ等)その他
2025年の構成は店舗38.2%・ネットBtoC18.7%・CtoC41.7%(その他1.4%)。2023年からの伸びは、店舗+15.6%、ネットBtoC+7.6%、CtoC+8.7%で、店舗が最も伸びています。「ネットに食われる」のではなく、店頭の買取と販売が拡大している市場です。
2025年の品目別(一部)と前年比 単位:億円(リユース経済新聞)。
ブランド品が+16.9%、玩具・模型(トレカ含む)が+16.0%、携帯・スマホが+13.7%と二けた成長で、衣料・服飾品は+5.5%です。ブランド品と衣料の合計(リユースファッション)は1兆1,684億円で、全体の33.7%を占めます(2024年に初めて1兆円超)。家具・家電、書籍、ホビーなど他の品目の2025年値は公開記事では取れていません。

2つの市場規模の違い

系列作成者定義最新値頻度
リユース経済新聞リユース経済新聞社事業者の国内小売金額ベース。自動車・住宅・法人間売買・輸出を含まない。越境購買代行経由は国内に含める2025年 3兆4,636億円(2024年 3兆2,628億円)毎年(暦年)
環境省環境省(令和6年度調査)一般消費者の購入額(最終需要)。自動車・バイクを含み、未使用品・新古品も含む。骨とう品・チケットは除く2024年 3兆4,986億円(自動車・バイク除く 1兆2,813億円)3年ごと(2012・15・18・21・24年)
混ぜてはいけない点:環境省の3兆4,986億円のうち自動車が1兆9,213億円(54.9%)、バイクが2,959億円(8.5%)を占めます。「3.5兆円」という数字は両系列でほぼ同じですが、年も定義も違う偶然の一致です。環境省の自動車・バイク除き(1兆2,813億円)とリユース経済新聞の値も直接は比べられません。環境省の2030年目標は4兆6,000億円(自動車を含む。2024年比+32%)、生活者のリユース実施率40.8%を50%にする計画です(環境省ロードマップ、令和8年3月)。近畿・関西単独の市場規模は、どちらの系列も公表されていません。2025年の増減率を丸め値(3.3兆円→3.5兆円)で計算すると誤差が出るため、本資料は実額(32,628→34,636億円)で計算しています。
CHAPTER 2

売る人・買う人 ── 経験者は約3割。店頭が持ち直し、フリマは頭打ち

環境省が3年ごとに行う消費者アンケート(2025年1月実施、事前調査50,337人)から、中古品を「買う・売る」人の行動を見ます。全国値のみで、関西別の公表はありません。回答者は男性が約66%、50代以上が中心で、年齢・性別の補正前の値です。

購入先別の購入額(自動車・バイク除く) 単位:億円、環境省(消費者の購入額)。
リユースショップ店頭ネットオークションネットショップフリマアプリ
2021→2024年で、店頭が+21.7%、フリマアプリが+41.5%、ネットオークションが−13.5%、ネットショップが−14.9%です。店頭は2018年を底に持ち直し、ネットオークションは2015年のピーク(5,289億円)から縮んでいます。「ネットが伸び続けている」とは言えません。
過去1年に「買っていない」「売っていない」人の割合 単位:%、環境省。
中古品を購入していない売却・引渡しをしていない
購入経験者は約3割(100−71.2=28.8%)、売却経験者も約3割(100−70.0=30.0%)です。2012年から「経験なし」はむしろ増えており、経験者の層は広がっていません。市場が伸びているのは、経験者の1人あたりの金額と、ブランド品・トレカなど高単価の品目が増えたためと考えられます(推計)。
不用品の売却・引渡し先 単位:%(過去1年・複数回答)、環境省2024年調査。
売却先の1位はリユースショップ・中古品販売店(14.3%)で、増加に転じました。フリマアプリは9.9%(2021年は11.0%)に減っています。不用品回収・片付け業者(3.4%)は60代以上で高く、出張買取の単独の割合は本文から取れませんでした。
CtoC-EC(フリマ+ネットオークション)の市場規模 単位:億円、経済産業省「電子商取引に関する市場調査」。
2016年の1.30兆円から2024年の2.53兆円(1.94倍)に拡大しましたが、2024年の伸びは+1.8%に鈍りました。経産省の値はBtoB・BtoC取引や新品の転売も含みうる定義で、リユース経済新聞のCtoC(2025年1兆4,445億円)とは別の数字です。2016〜2023年は環境省報告書の図からの読み取り、2024年は報道による値です。

中古品で「買ってもよい」品目

品目購入意向
書籍63.5%
ソフト・メディア53.4%
自動車41.5%
ゲーム機器39.1%
家具39.0%
スマホ22.5%
テレビ・洗濯機・冷蔵庫19.3%
エアコン13.6%
環境省2024年調査、回答は中古品購入の意向。書籍・メディアは抵抗が小さく、家電やスマホは抵抗が大きい。調査対象の中古品の3〜4割は未使用品・新古品です(日用品51.4%、自転車49.7%、玩具48.7%、スマホ47.9%、ブランド品41.6%、書籍14.2%)。

世代・動機・不安

  • 世代差:過去1年に中古品を購入していない人は10〜20代63.2%、60代以上76.1%。フリマアプリでの購入は10〜20代20.8%、60代以上8.0%(環境省)。
  • 手放す理由:金銭的な理由56%、手続き・準備がいらない39.4%、まだ使う人に有効利用してほしい33.6%(環境省報告書を引用した二次情報、中古購入経験者が対象)。
  • 転売目的:購入者の91.3%は転売目的なし。「ほぼ全て転売目的」は1.5%(環境省)。
  • 不安(民間調査・参考):フリマ利用者の60.9%が「偽ブランド品・偽造品が届く」を不安に挙げ、偽造品の購入経験は19.6%(2025年6月、スニーカーダンク運営会社の調査、有効回答4,265人、全国)。調査主体がブランド品寄りで、偏りがある可能性があります。
読み方:環境省の購入先は「過去1年に買った人の割合(複数回答)」で、フリマアプリ12.7%、店頭11.2%、ネットオークション9.4%、ネットショップ7.1%(2024年)です。民間調査の「フリマアプリ利用経験59.0%」(Appliv、2024年3〜4月、n=1,365)は「経験あり」の定義が違うため、並べて比べられません。
CHAPTER 3

古物商の数 ── 許可は61.5万件。ただし事業者の数ではなく、府県別は非公表

古物商になるには、営業所の所在地を管轄する公安委員会(都道府県警察)の許可が必要です。警察庁が毎年公表する許可件数が、業界の頭数に最も近い指標ですが、読み方に注意が要ります。

古物商等の許可件数(全国) 単位:件、各年12月末。古物商+古物市場主。警察庁「古物営業・質屋営業の概況」、警察白書。2019年と2020年の間で定義が変わっています。
〜2019年:営業所のある都道府県ごとに許可(重複計上あり)2020年〜:主たる営業所の所在地の1許可
2020年に半減したのは市場の縮小ではなく集計単位の変更です。2020年4月の改正で、複数の府県に営業所を持つ事業者が府県ごとに取っていた許可が、主たる営業所の所在地の1許可にまとまりました。新定義の2020年以降は、2025年末の615,194件まで毎年4.2〜4.6万件ずつ純増しています(2021年+11.4%、2022年+9.6%、2023年+9.5%、2024年+8.1%、2025年+7.4%)。2020→2025年は+55.2%(年平均+9.2%)です。2019年以前と2020年以降を同じ尺度で比べないでください。

許可件数のほかの数字(2025年)

指標値
古物商等の許可件数615,194件(古物商614,118+古物市場主1,076)
古物競りあっせん業の届出170件(前年+7。届出制)
古物商による不正品申告129件(道具37、時計・宝飾品31、機械工具22、書籍17)
行政処分874件(指示855、営業停止8、取消11)
古物営業法違反の検挙19件・12人(身分確認8、無許可7)
管理者講習150回・19,602人
(参考)質屋営業の許可2,387件(質屋営業法。別の制度)
警察庁「令和7年中における古物営業・質屋営業の概況」。不正品申告は古物商のみ(白書の「古物商+質屋」の合計、2024年137件とは別集計)。検挙19件は古物営業法違反で、窃盗など盗品そのものの検挙ではありません。

読み違えやすい3点

  • 許可件数は事業者数ではありません。許可は店舗を持つ事業者に限らず、個人も取得できます。せどり・ネット転売の副業も対象で、個人・法人別の内訳は警察庁が公表していません。新規許可数・廃止数も公表されていません。
  • 府県別の許可件数は公表資料に見当たりません。警察庁の概況・警察白書は全国値のみで、関西6府県の件数と人口あたり件数は計算できませんでした。全国では2024年末573,024件を2024年10月1日の総人口1億2,380万2千人で割ると46.3件/1万人です(基準日が12月末と10月1日でずれる点に注意)。府県別が必要な場合は、各府県警察への照会か情報公開請求になります。第4章で代替指標(経済センサスの事業所数)を使います。
  • 取締りは「検挙」より「指示」が中心です。行政処分は2016年の1,336件から2020年に1,006件、2021年に760件まで減り、2025年は874件です。検挙は2016年39件が2025年19件と少数で、無許可営業・本人確認違反が主です。
CHAPTER 4

事業所と需要基盤 ── 法人の専門店は大阪に半数、需要の源は単身・高齢・空き家・訪日客

古物商の許可件数は府県別に取れないため、経済センサス(2021年)の業種別事業所数で関西の構造を見ます。あわせて、売り手(不用品の持ち主)と買い手(訪日客を含む)の基盤になる人口・世帯・空き家の指標を整理します。

骨とう品・中古品小売業の事業所数(法人) 単位:事業所、2021年6月、経済センサス-活動調査。右は人口10万人あたりの事業所数。
中古品小売業(6098)骨とう品小売業(6097)
関西6府県計は526事業所で、全国(3,688)の14.3%です(人口比は16.3%)。大阪が252(関西の47.9%)、兵庫が124、京都が83です。人口10万人あたりでは京都3.24が全国(2.94)を上回り、これは骨とう品店が33と全国(387)の8.5%を占めるためです。和歌山(1.31)、滋賀(1.98)、奈良(2.05)は全国を下回ります。

この数字の読み方(重要)

  • 法人だけの数字です。2021年の細分類(4桁)の集計は個人経営を含みません。2016年は全国で6097が1,900(うち個人1,453)、6098が5,627(うち個人2,222)あり、個人が6097の約76%、6098の約39%を占めていました。2016年の件数と直接比べてはいけません。法人同士では2016→2021年に6097が−13.4%、6098が−3.1%です。
  • 古物商の許可件数とは別物です。センサスは事業所の主たる業種で1分類にしか入れません。書店・ホームセンター・自動車販売・ジュエリー店・質屋の古物商は別の分類に入ります。全国の6097+6098(3,688)は許可件数(615,194)の0.6%にすぎません(母集団が違う比較)。
  • 古物卸(業者間の市場)は専用の産業分類がなく、取れません。

関連業種の事業所数(2021年)

業種(分類コード)滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山全国
中古品小売業(6098・法人)255022512025113,301
骨とう品小売業(6097・法人)33327421387
古本小売業(6062・法人)721352084671
中古電気製品小売業(5933・法人)61022812515
ジュエリー製品小売業(6095・法人)308729017535313,993
質屋(642・金融業・個人含む全事業所)2261476310111,324
令和3年経済センサス-活動調査(産業別集計 卸売業,小売業、産業横断的集計)。分類は日本標準産業分類第13回改定。質屋のみ「個人経営・国公営を含む全事業所」で、ほかは法人の細分類です。609「他に分類されない小売業」(ホームセンター、ペット、花、ジュエリー、骨とう品等を含む)は古物商とは呼べません。6098の従業者は全国40,193人、関西は大阪3,051人、兵庫1,417人、京都727人、滋賀372人、奈良398人、和歌山127人です。年間商品販売額は大阪390.9億円、兵庫119.6億円、京都55.3億円(6098、法人)で、全国は4,510.8億円です。

規模:法人のリサイクル店は中〜大型が多い

地域事業所1〜4人の割合1事業所あたり従業者
大阪25225.4%12.5人
兵庫12424.2%11.6人
京都8338.6%11.0人
全国3,68832.8%11.3人
6097+6098の合計、法人、従業者数は臨時雇用を除く。全国の6098は10人以上の事業所が50.2%です。個人・小規模の古物商はこの表に入っていません。1事業所あたりの年間商品販売額は、6098が1.37億円、6097が0.98億円(全国・法人)です。
買物代の旅行消費額(訪日外国人) 単位:億円、2025年暦年、観光庁「インバウンド消費動向調査」。右は府県の訪問率。
関西6府県の買物代の合計は1,233億円で、大阪府が74.4%、京都府が20.4%です。大阪府の訪問率は41.3%、京都府は29.7%。買物をする人は大阪府訪問者の85.8%(近畿運輸局管内は90.0%)で、購入者1人あたり38,780円です。品目別(ブランド品・時計・古着など)の府県別値は公表されておらず、「中古品」の区分もありません。
需要の基盤になる指標(府県別) 単位:%。単独世帯=2025年国勢調査(単独÷一般世帯)、65歳以上=2025年国勢調査、空き家率=2023年住宅・土地統計調査(確報)。
単独世帯の割合65歳以上の割合空き家率
大阪・京都は単身世帯が45〜46%と全国(41.4%)を上回り、転居や処分が起きやすい都市型の構造です。奈良(33.1%)・和歌山(34.9%)は高齢化が全国(29.5%)より進み、和歌山の空き家率21.2%は全国最高です。「賃貸・売却用・二次的住宅を除く空き家率」も和歌山12.0%で、全国(5.9%)の約2倍、大阪は4.6%です。

人口・移動・相続の代理指標

府県人口の増減
2020→2025
国内転入超過
2025年
死亡数
2024年
滋賀−1.5%+353人15,523人
京都−3.0%−3,753人31,281人
大阪−0.9%+15,667人108,534人
兵庫−2.7%−2,102人67,956人
奈良−4.3%−1,070人17,379人
和歌山−6.4%−2,813人14,586人
全国−2.5%0人1,605,378人
人口は国勢調査2020年と2025年(2026年9月29日公表)。関西6府県の2025年人口は20,101,223人(全国の16.3%)。転入超過は住民基本台帳人口移動報告2025年(日本人+外国人の国内移動)。死亡数は人口動態統計2024年確定数(府県別はダッシュボード値)。関西6府県計は255,259人で全国の15.9%。死亡数・空き家・高齢者世帯は、遺品整理・出張買取・実家じまいの需要の「代理指標」にすぎず、実際の件数は公的統計にありません。全国の都道府県間移動者の57.0%は20〜34歳で、引越しと買い替えの機会は若い層に集中します。
取れなかったもの:2021年の個人経営を含む6097/6098の府県別件数、令和6年経済構造実態調査の府県別細分類、20〜34歳の府県別移動数、府県別・品目別の訪日客購入率、家計調査の中古品費目(該当する費目がありません)。外国人延べ宿泊者数は2025年に京都府18.3百万人泊(+8.0%)、大阪府24.5百万人泊(−3.5%)、兵庫県2.0百万人泊(+32.3%)、奈良県0.5百万人泊(+30.1%)で、関西国際空港の外国人入国者は1,084万人(2025年、前年比+14.6%、全国の25.5%)です。
CHAPTER 5

調達と相場 ── 金は5年で3.5倍。買取は「相場」で動く

古物商の仕入れ(買取)は、金・プラチナ・時計・ブランド品の相場と為替で決まります。2025〜2026年は金が歴史的な高値圏にあり、買取の持ち込みが増えた一方、利益率の維持が各社の課題になりました。

金の国内小売価格(年平均) 単位:円/g(税抜)、暦年。田中貴金属工業の参考小売価格。
2023年の8,834円から2024年は11,718円(+32.7%)、2025年は17,302円(+47.7%)に上がりました。2020年の年平均6,122円に対し、2025年12月の月平均は21,716円で3.55倍です(年平均と月平均の比較)。プラチナも2025年に年平均6,747円(+42.2%)、12月平均9,554円まで上がっています。
2026年の金とプラチナ(月平均) 単位:円/g(税抜)、田中貴金属工業。
金プラチナ
金は2026年3月に月最高27,550円をつけた後、7月に21,479円まで下がり、9月は21,953円です。それでも2025年の年平均(17,302円)の1.27倍の水準です。直近の日次(10月9日、税込)は店頭小売23,311円、買取22,954円で、月平均(税抜)とは直接比べられません。
中古ロレックス相場指数(12月値と直近) 単位:万円、バリュエンス「Valuence indicator」(自社オークション等の取引実績からAIが算出した中古価格指数)。
2019年12月の77.7万円から2025年12月の141.4万円へ1.82倍、2026年10月は151.6万円(2025年12月比+7.2%)です。2022年のみ前年を下回りました。1社の指数であり、市場全体の価格ではありません。

為替と定価改定

項目内容
円ドル(T.T.S.平均)2023年141.71円/2024年152.65円/2025年150.62円。2026年の月平均は157〜164円
ルイ・ヴィトン2026年4月7日(ジュエリー・ウォッチの一部)、5月11日(バッグ・財布等)に改定との報道
エルメス2026年2月1日、8月4日に改定との報道(8月分の内容は未確認)
ロレックス2026年1月1日、6月1日(ゴールドモデル中心)に改定との報道
為替は田中貴金属工業の年次表(銀行のT.T.S.の平均で、公的な基準レートではない)。定価改定はブランド側の公式発表がなく、報道・買取店サイトの二次情報で、時期のみを載せ、改定幅は情報源で異なるため採用していません。

金高騰は買取の現場にどう表れたか(各社の決算資料の記述)

企業記述の要点出典
ブックオフグループHDプレミアムサービス事業(百貨店内の買取窓口等)が「貴金属相場が高水準」を背景に仕入金額が増え、売上+18.8%。国内の商品在庫に占める貴金属・時計・バッグは19.1%(前期15.9%)2026年5月期 決算短信・FACT BOOK(2026年7月13日)
コメ兵HD「歴史的な金相場高騰を背景に、金地金や時計の持ち込みが加速」。2025年10月は月間買取額100億円。利益率の低い金地金の法人販売が増え、利益率を押し下げ。2027年3月期は「金地金の前年度実績の再現性に課題」2026年3月期 決算説明資料(2026年5月14日)
バリュエンスHD(なんぼや)「地金相場が堅調」を背景に売上高+26.7%(2026年8月期Q3累計)。一方、地金・時計等の相場が軟調な時期は売上総利益率に影響2026年8月期 第3四半期決算説明資料(2026年7月10日)
読み方:相場の上昇は「売りたい人の動機」と「持ち込み件数」を増やしますが、仕入れ後の価格変動リスクと、地金は粗利率が低いという構造も同時に高めます。買取の広告は相場が動いた時期に問い合わせが出やすく、価格の見せ方(本日の買取相場の掲示)が集客に直結しやすい分野です。
CHAPTER 6

競争環境 ── 上場チェーンは増収、関西は大阪に店舗が集まる

主要チェーンは公式IR資料(決算短信・決算説明資料)の数値のみを使います。決算期、連結/単体、国内外の範囲がそれぞれ違うため、金額や店舗数の合算はできません。関西の店舗数は各社の公式店舗検索の件数です。

主要企業の直近通期の売上高 単位:億円。決算期は社名の横に記載(各社の直近通期)。ゲオは「リユース商材」の売上のみ、他は会社全体の売上高。
各社とも増収です(コメ兵+39.4%、ゲオのリユース商材+9.7%、ブックオフ+9.2%、トレファク+15.1%、ハードオフ+17.1%、買取王国+19.3%)。BuySell(+67.8%)とハードオフ(エコノスの子会社化)の伸びにはM&Aの寄与が含まれます。ハードオフの連結売上高393億円は直営店の売上で、FC店を含むチェーン全体の売上は774.7億円(2026年3月期)と別の数字です。
企業決算期(直近通期)売上高営業利益店舗数(基準日)
ブックオフグループHD5月期(2026年5月期)1,301億円(+9.2%)44.1億円(+27.7%)国内ブックオフ723店(直営366+加盟357、2026年5月末)。グループ835店
ハードオフコーポレーション3月期(2026年3月期)393億円(+17.1%)33.9億円(+5.3%)1,078店(直営545+FC533、国内外・ブックオフ65店・海外24店を含む)
ゲオHD(2nd STREET)3月期(2026年3月期)リユース商材3,006億円(+9.7%)。全社4,812億円全社142.4億円(+26.6%)2nd STREET 1,079店(国内931+海外148)
トレジャー・ファクトリー2月期(2026年2月期)486億円(+15.1%)47.8億円(+18.4%)グループ328店(直営297、海外8店含む、2026年4月30日)
コメ兵HD3月期(2026年3月期)2,217億円(+39.4%)92.9億円(+50.4%)グループ337店(国内297+海外40)。個人買取額1,041億円(+32.0%)
BuySell Technologies12月期(2025年12月期)1,006億円(+67.8%)90.4億円(+91.1%)店舗買取490店(うちFC272、2025年12月末)→547店(2026年6月末)
買取王国(単体)2月期(2026年2月期)93億円(+19.3%)5.1億円(+20.1%)88店(うちFC8、2026年8月)
いずれも各社の決算短信・決算説明資料(2026年4〜8月発表)。店舗数の「国内外」「直営・FC」の範囲が会社ごとに違います(国内のみで比べるには海外店を差し引く必要があります)。大黒屋HDは決算短信の原本が取れず、エコリング(非上場)・ウリドキは公表値がなく、掲載していません。
関西6府県の店舗数(チェーン別) 単位:店、2026年10月10日の公式店舗検索の件数(トレファクのみ2026年4月30日のIR)。
大阪兵庫京都滋賀・奈良・和歌山
買取大吉(546店)とおたからや(354店)はFC中心の買取専門店で、総合リユース店(2nd STREET165店、ハードオフ系97店、ブックオフ84店)とは店の規模が違います。大阪の構成比は買取大吉47.1%、2nd STREET44.2%、おたからや41.8%、ハードオフ系41.2%、ブックオフ38.1%、トレファク64.9%で、店舗の4〜6割が大阪に集まります。
ハードオフの店舗数(直営・FC) 単位:店、各年3月末。
直営FC
2022年3月の914店から2026年3月の1,078店へ増えました。2026年3月期は直営が+95店、FCが−29店で、FC加盟法人エコノスの子会社化(53店を直営化)が反映されています。2nd STREETの国内店舗も838店(2024年3月)→880店→931店(2026年3月)と増え、2027年3月期に国内1,000店に達する見込みです。一方、国内ブックオフは741店(2025年6月末)から723店(2026年5月末)に減りました。
店舗数の読み方:公式店舗検索の件数は、各社の掲載ルール(併設店、FC、買取専門店の数え方)で決まり、IRの店舗数とは一致しません(2nd STREETは検索978店・IR国内931店)。トレファクは奈良に記載なし。コメ兵・ゲオ・大黒屋・バイセルの関西店舗数は取れていません。関西固有の事業者は固有名の羅列ではなく、このような店舗分布で捉えるのが安全です。関西の許可事業者の大半は、チェーンに属さない中小・個人です(許可615,194件に対し、主要6チェーンの関西店舗の検索件数は合計1,303件)。

ファッション・ホビーへのシフト

  • ブックオフ:国内の商品売上に占める貴金属・時計・ブランドバッグは9.5%(2021年5月期8.0%)、トレカ・ホビーは23.6%(同8.5%)。書籍中心の店から、ホビーと高単価品の店に変わっています。
  • ゲオHD:リユース商材の内訳は衣料・服飾雑貨1,223億円(+19.7%)、ラグジュアリー576億円(−1.1%)、スマホ・タブレット488億円(+7.3%)、ゲーム340億円。
  • コメ兵:国内の店舗は買取専門店224、販売店13、買取販売併設店60(2026年3月末)。買取専門店の出店が18店あり、買取の入口を増やしています。

プラットフォームと団体

  • メルカリ(日本区分):GMV1兆2,857億円(+14.7%、2026年6月期)、MAU2,419万人(四半期平均)。越境取引を含むGMVの値で、リユース経済新聞のCtoC(1兆4,445億円)とは別の物差しです。
  • LINEヤフー:リユース事業の取扱高1兆1,199億円(+14.0%)。ヤフオク!・Yahoo!フリマ・ZOZOUSEDの合算で、二次情報です。
  • 日本リユース業協会:会員105社(正会員36、準会員7、研究会員21、賛助会員41、2026年7月)。2024年末の82社から増えています。
CHAPTER 7

買取の集客 ── 出張買取は1訪問あたりの広告費が3万円に迫る

リユース事業者の差は「売る」より「仕入れる」ところで付きます。買取チャネル(店頭・出張・宅配)ごとの構成と、広告費の規模を、公式IRで公表されている範囲で整理します。

出張訪問あたりの広告宣伝費 単位:円、BuySell Technologies(会計年度=1〜12月、最後は2026年上期)。
2019年の14,509円から2025年の23,518円(1.6倍)、2026年上期は29,943円に上がっています。通期の会社計画は26,500円です。2026年は3社平均(バイセル、REGATE、日晃堂)に集計範囲が変わっているため、2025年までとは連続しません。
出張訪問数 単位:件、BuySell Technologies(会計年度)。
2019〜2024年は18万件から27万件へ増え、2025年は44.5万件(+64.3%)になりました。2025年はREGATE(買取福ちゃん)・日晃堂の連結化を含むため、同じ範囲の伸びではありません。2026年上期は24.6万件、通期計画は53万件です。

広告費の規模(公表されているもの)

企業数値
BuySell(2026年上期)広告宣伝費8,897百万円(+45.1%)、売上高に対し12.30%(8,897÷72,361)。2025年上期は12.77%
BuySell(出張訪問の広告費・推計)2026年上期 約74億円(24.6万件×29,943円)で、連結広告費の約83%。掛け算による推計で、公表値ではありません
トレジャー・ファクトリー広告宣伝費691百万円、売上比1.4%(2026年2月期、+23.6%)
バリュエンス(なんぼや)テレビCM前後の認知率10.8%→17.2%(全体)、1年以内の買取経験者で24.8%→32.6%(2026年5月、インテージ調査、n≒3.8万)
出張買取を主力とする会社の広告費率(約12%)は、店舗中心のトレファク(1.4%)の約9倍です。出張買取は「広告で獲得する事業」であることがわかります。ポスティング・チラシ・LINE・リスティング等の媒体別の費用は、公表値が取れませんでした。

買取チャネル別に公表されている数値

企業公表内容
BuySell仕入高(2026年上期)は出張訪問107.4億円、店舗189.5億円で、出張の比率は36.2%。再訪率は約20%(目標25%)。FC店舗(WAKABA)は190店(2022年)→302店(2026年6月)
トレジャー・ファクトリー仕入高の前期比は店頭買取+12.5%、宅配買取+6.4%、出張買取+8.1%(絶対額は非公表)
コメ兵個人買取額1,041億円(+32.0%)は店舗・出張・イベント・宅配の合計で、チャネル別は非公表
ブックオフ・ハードオフチャネル別の比率は非公表
環境省・日本リユース業協会・リユース経済新聞の買取チャネル別の比率は、原資料に到達できず取れていません。BuySellの仕入高は2026年から算出方法を一部変更しており、2025年の短信の店舗買取仕入高(381億円)と定義が異なります。
CHAPTER 8

制度とコンプライアンス ── 古物営業法・訪問購入・犯収法の3層

古物商の義務は、古物営業法(許可・本人確認・帳簿)、特定商取引法の訪問購入(出張買取の勧誘規制とクーリングオフ)、犯罪収益移転防止法(貴金属等の取引時確認)の3つが重なります。以下は制度の整理で、法的助言ではありません。個別の判断は警察署・公安委員会・弁護士に確認してください。

項目要点根拠
許可古物の売買・交換・委託売買を業として行うには、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可が必要。自分の物を売るだけの場合は古物営業ではない。古物競りあっせん業(フリマ等のプラットフォーム)は届出制古物営業法2条・3条・5条・10条の2
標識・管理者営業所ごとに標識を掲示し、管理者を1人選任。2024年4月から、ウェブサイトで取引する場合は氏名・名称・許可番号の掲載が必要(従業員5人以下等の小規模事業者は除外、特定古物商は例外なし)同12条・13条、施行規則13条の2
本人確認買取時に相手方の住所・氏名・職業・年齢を確認。1万円未満は免除だが、自動二輪、家庭用ゲームソフト、CD・DVD等、書籍は免除されない。2025年10月から、室外機・ヒートポンプ・電線・グレーチングが追加(金属盗対策)。確認方法はマイナンバーカード等の電子証明書、eKYC、本人限定受取郵便など同15条、施行規則15・16条
帳簿・保存取引ごとに品目・数量・特徴・相手方の情報を記録し、最終記載から3年保存。電磁的記録も可同16条・18条
盗品等の申告不正品の疑いがあれば直ちに警察官へ申告。警察の品触れを受けたら届出。警察は30日以内の保管を命じられる同15条3項・19条・21条
罰則無許可営業・名義貸し・停止命令違反は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。本人確認・帳簿・保存の違反は6月以下または30万円以下の罰金。法人にも両罰同31〜38条
犯罪収益移転防止法金・白金等の貴金属、宝石の売買を業とする者は特定事業者。代金が200万円を超える貴金属等の売買で取引時確認が必要。確認記録・取引記録は7年保存。疑わしい取引は届出犯収法2条・施行令7条
条文は2025年6月1日施行版(e-Gov法令)。許可申請の手数料は、京都府警の案内で19,000円を確認していますが、ほかの5府県は未確認です(標準額と推測していません)。2018年10月24日に一部(仮設店舗の届出、欠格事由の追加、非対面の本人確認方法)、2020年4月1日に残り(主たる営業所による許可の一本化)が施行されました。2026年に金・貴金属の買取の本人確認を強化する法令・通達は確認できませんでした。金属盗対策法(2026年6月施行)は主として銅からなる金属くずの買受業者の届出・本人確認を定める別制度で、古物商への適用関係は要確認です。
訪問購入(出張買取)の相談件数 単位:件、年度(4〜3月)、国民生活センター(PIO-NET)。
2019年度の5,220件から2023年度の8,623件(2020年度比+43.3%)まで増え、2024年度は7,909件(−8.3%)、2025年度は7,523件(−4.9%)です。登録の遅れで直近年度は後から数件〜数十件増えるため、過小に出ます。2019〜2022年度は2024年公表値、2023年度以降は2026年7月更新値で、公表の世代が混ざっています。

相談の中身と行政処分

  • 品目(2025年度、7,523件):アクセサリー1,708件(22.7%)、商品一般1,397件(18.6%)、四輪自動車415件、加工されていない貴金属を含む「他の商品」337件。アクセサリーと他の商品の合計は2,045件(27.2%)で、貴金属関連の目安です(厳密な貴金属の件数ではない)。
  • 当事者(2023年度):80歳以上28.0%、70代28.5%、60代17.2%、女性74.6%。高齢の女性が中心です。
  • 行政処分:2025年11月に消費者庁が訪問購入業者1社へ9か月の業務停止、2026年8月に九州経済産業局が3社へ9か月の業務停止(代表者2名に業務禁止)。近畿経済産業局の処分は確認できませんでした。
  • クーリングオフ:書面を受け取った日から8日間。勧誘に先立つ氏名・目的・品目の明示、要請していない勧誘の禁止(不招請勧誘)が定められています。自動車、家具、書籍、家電(携行が容易なものを除く)などは適用除外です。
相談件数は訪問購入全体で、貴金属・ブランド品だけの件数ではありません。近畿・府県別の相談件数は取れませんでした。プラットフォーム側では、メルカリが2025年3月から高額取引でeKYCを必須化し、2026年上半期の取引のうち本人確認済みユーザーの割合は79%(メルカリ透明性レポート)です。環境省は令和8年度に「リユース業の優良事業者ガイドライン」の検討会を設置したとの情報がありますが、一次資料は未確認です。
CHAPTER 9

マーケティングへの示唆 ── 古物商の差は「仕入れの入口」と「信頼の見せ方」で付く

関西で古物商を営む事業者、参入を検討する方、その広告・集客を担う側に向けて、数値から言えることを整理します。以下は本資料の数値にもとづく見立てで、個別の事業の成否を保証するものではありません。

  • 市場は伸びているが、経験者は増えていない。市場は16年連続で拡大していますが、中古品を買った人も売った人も約3割で横ばいです。伸びは高単価の品目(ブランド品+16.9%、トレカ・玩具+16.0%、スマホ+13.7%)と店舗販売(2年で+15.6%)にあります。客数を増やすより、1件あたりの単価と、品目の専門性で勝負する市場です。
  • 売る理由は「お金」と「手間がかからない」。手放す理由の上位は金銭的な理由(56%)と、手続き・準備がいらないこと(39.4%)です。買取の訴求は、査定額だけでなく「写真を送るだけ」「その場で現金」「運び出しまで任せられる」といった手間の少なさを前面に出すと、売る側の動機と合います。
  • 仕入れは相場で動く。価格を見せる。金は5年で3.5倍の水準になり、2026年も月平均2.1〜2.5万円/gの高値圏です。相場が動くと持ち込みの動機が生まれます。「本日の買取相場」の掲示、相場が上がった時期のリスティング広告やLINE配信の強化が、集客に直結しやすい分野です。一方、地金は粗利率が低く、仕入れ後の変動リスクもあります(コメ兵の決算説明資料)。
  • 出張買取は広告で獲得する事業。小規模は全国型と同じ土俵で戦わない。BuySellの広告費は売上の約12%、出張訪問1件あたり約3万円で、店舗中心のトレジャー・ファクトリー(1.4%)の約9倍です。個人・小規模の事業者が同じ広告費を投じるのは現実的でないため、市区町村単位の地域広告(Googleビジネスプロフィール=MEO、チラシ・ポスティング)と、品目の絞り込み(着物、骨とう品、時計、楽器など)で、商圏と専門性を狭く深く取る設計が合います。
  • 信頼を可視化する。偽造品への不安(フリマ利用者の6割が不安)と、出張買取の強引な勧誘(相談は年7,500件前後、当事者の多くは高齢の女性)が、業界全体への警戒を生んでいます。古物商許可番号・公安委員会名の掲示(ウェブ掲載の義務は2024年4月から。従業員5人以下等の小規模事業者は除外)、本人確認の手順、訪問前の同意確認、クーリングオフの案内、査定の根拠の説明は、法令遵守であると同時に、選ばれる理由になります。
  • 大阪は競争が最も激しく、訪日客の買物も集中する。主要チェーンの関西店舗の4〜6割が大阪にあり、訪日客の買物代1,233億円の74.4%が大阪府です。大阪では、ブランド品・時計・ゲーム・トレカなど訪日客が動かす品目の販売と、買取の差別化(専門性・スピード)が焦点になります。販売側では、多言語の商品情報と、真贋・状態の説明が購入の条件になります。
  • 和歌山・奈良は「実家じまい」の出張買取。高齢化率が高く(和歌山34.9%、奈良33.1%)、和歌山の空き家率は全国最高の21.2%です。一方で、人口あたりの骨とう品・中古品小売業の事業所(法人)は全国より少なく(和歌山1.31、奈良2.05、全国2.94/10万人)、競合が薄い地域です。遺品整理・生前整理・空き家の片付け業者や不動産会社との連携、家族(子世代)を狙った広告が有効と考えられます(推計)。
  • 京都は骨とう品・古美術と訪日客。骨とう品小売業(法人)33事業所は全国の8.5%で、訪日客の買物代も251億円あります。古美術・骨とう品は他地域より専門店の密度が高い市場で、売却側にも買い手側にも、専門性と来歴の説明が重要です。
  • 参入は年4万件ずつ増えている。古物商の許可は2020年以降、毎年4.2〜4.6万件ずつ純増しています。個人の副業も含まれるため、参入の敷居は低い一方、差別化されない事業者は埋もれます。古物商許可の取得支援、帳簿・本人確認のオンライン化(eKYC、台帳アプリ)の需要も増えると考えられます(推計)。
  • 再訪と紹介を設計する。BuySellの再訪率は約20%(目標25%)で、再訪は広告費がかからない構造です。買取客のLINE公式アカウントへの登録、季節(衣替え・引越し・年末の大掃除)に合わせた配信、売却後の購入(店舗併設の場合)への導線が、広告費の抑制になります。

業態別の勝ち筋と集客の考え方

業態本資料の根拠となる数字集客・広告の考え方(見立て)
総合リユース店(リサイクルショップ)店舗販売が2年で+15.6%。ブックオフは国内店舗が減少(741→723店)しトレカ・ホビーが売上の23.6%。2nd STREETは国内931店に増加品目ごとの専門コーナー(トレカ、ホビー、ブランド)を軸に、Googleビジネスプロフィール、チラシ、買取強化品目の告知で来店・持ち込みを集める
買取専門店(FC含む)関西で買取大吉546店、おたからや354店。相場の高騰で持ち込みが増加。FC中心で店の数が急増同じ看板の店が密集するため、地域名×品目の検索(MEO、リスティング)、相場掲示、口コミの獲得が差になる
出張買取広告費は売上の約12%、1件あたり約3万円。訪問購入の相談は年7,500件前後。クーリングオフ8日間商圏を市区町村に絞る。高齢者の家族向けの訴求(遺品整理・実家じまい)、訪問前の説明と書面交付の徹底を「安心」の訴求にする
専門店(ブランド・時計・骨とう品・トレカ)ブランド品+16.9%、トレカ・玩具+16.0%。中古ロレックス指数は6年で1.82倍。京都は骨とう品店が全国の8.5%真贋・状態の説明、鑑定の根拠、商品ページの写真と動画の質が購入の条件。SNS・動画で専門性を見せ、全国のEC・フリマと併用する
ネット・フリマ中心の小規模事業者CtoCは1.44兆円(リユース経済新聞)。フリマ購入は10〜20代で20.8%、60代以上で8.0%販路をECサイトと自社サイトに分散し、許可番号の表示(2024年4月から義務、小規模事業者は除外)と本人確認の整備を前提に、リピートを設計する
本資料の使い方:自社の商圏が「大阪の都市型(競合密度が高い)」か「京都(骨とう品・訪日客)」か「和歌山・奈良(高齢化・空き家・競合が薄い)」かで、広告の軸が変わります。個別の商圏(市区町村)の分析は、人口・世帯・高齢化・空き家・競合店舗の分布を差し替えて作成できます。
CHAPTER 10

Shidoからのご提案

本資料は公的統計と上場企業のIR資料にもとづく関西全体の汎用版です。古物商の集客・ブランドづくり・参入前の調査について、株式会社Shidoが支援できる内容を整理しました。

貴店の商圏と品目に合わせて、買取と販売の導線をつくります

古物商の差は「仕入れの入口」と「信頼の見せ方」で付きます。関西のどの地域で、どの品目を、誰に向けて、どの媒体で伝えるか。数字を土台に、設計から制作・運用までご一緒します。

買取の査定導線をつくる

LP、WEB査定・LINE査定フォーム、電話・来店予約までの一連の導線を設計します。相場の掲示、買取品目ごとの案内、買取の流れを整理し、問い合わせを取りこぼさない形にします。
Shidoができること:Web、デジタルマーケティング、SNSマーケティング

地域に絞った広告を打つ

市区町村単位のGoogleビジネスプロフィール(MEO)、リスティング、チラシ・ポスティング、地域メディア。出張買取や遺品整理など、高齢者本人とその家族に届く媒体の組み合わせを設計します。
Shidoができること:デジタルマーケティング、マス・メディア広告、デザイン

信頼を伝える

古物商許可番号の表示、本人確認の手順、訪問前の同意確認、クーリングオフの案内、査定の根拠を、サイト・チラシ・店頭で分かりやすく見せます。スタッフ・店舗・買取風景の写真と動画で、安心を伝えます。
Shidoができること:ブランディング戦略、撮影・映像、デザイン

店名・ブランドを育てる

FCや大手チェーンの看板が並ぶなかで埋もれない屋号、ロゴ、店舗の見せ方、品目の専門性の打ち出し方を整理します。リユース店の新規開業・リニューアルにも対応します。
Shidoができること:ブランディング戦略、デザイン

販売側のECと商品ページ

自社ECサイト、モールやフリマとの併用、商品の撮影、真贋・状態を伝える商品ページ、訪日客向けの多言語表示を整えます。
Shidoができること:EC、撮影・映像、Web

LINE・SNSで再訪と紹介をつくる

LINE公式アカウントの運用、買取強化品目・相場の配信、季節(衣替え・引越し・年末の大掃除)に合わせた企画、動画での専門性の発信を行います。
Shidoができること:SNSマーケティング、デジタルマーケティング

出店前の商圏調査

人口・世帯・高齢化・空き家・競合店舗の分布を、市区町村から町丁目まで公的統計で調べます。出店候補地や広告エリアの優先順位をつけ、参入の判断材料にします。
Shidoができること:マーケットリサーチ

テレビ・新聞・交通広告での認知

認知の底上げが必要な局面では、テレビCM・新聞・折込・交通広告の設計と、効果検証(CM前後の認知調査など)まで支援します。
Shidoができること:マス・メディア広告、マーケットリサーチ、デザイン

進め方:まず現在の買取・販売の状況(買取の経路別件数、問い合わせの経路、品目別の粗利、過去の広告実績、Googleビジネスプロフィールやサイトのアクセス)をお預かりします。データはExcel・CSV・管理画面のエクスポートのままで結構です。お預かりから約2週間で、重点の商圏・品目・媒体と、年間の集客カレンダーをご提案します。

SOURCES

出典

  1. リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2026(2025年版)」(2026年9月27日)、同「推計2025(2024年版)」(2025年9月26日)、同「推計2024(2023年版)」(2024年9月22日)。2009〜2023年の系列は環境省『令和6年度リユース市場規模調査報告書』に転載された値(出典はデータブック2024)。
  2. 環境省『令和6年度 リユース市場規模調査報告書』(令和7年6月、消費者アンケート事前調査50,337人・本調査3,365人、2025年1月実施)、環境省「リユース等の促進に関するロードマップ」(令和8年3月)。
  3. 経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(2025年8月26日公表。原本PDFは取得できず、環境省報告書の転載値と報道で確認)。SODA「フリマ取引に関する実態調査」(2025年7月10日)、Appliv(ナイル)調査(2024年)、メルカリ決算(2026年8月5日)・透明性レポート2026年上半期、LINEヤフー決算(報道経由)。
  4. 警察庁「令和7年中における古物営業・質屋営業の概況」、同「令和6年中」、警察白書 令和7年版 図表2-93・平成26年版 図表2-32・平成27年版、警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について」(2024年8月14日)。古物営業法・同施行規則・特定商取引法(訪問購入)・同施行令・犯罪収益移転防止法(e-Gov法令検索)。警視庁、神奈川県警、京都府警、愛知県警、大阪府警の案内ページ。
  5. 国民生活センター「訪問購入」(2026年7月31日更新)、同「2025年度 全国の消費生活相談の状況」(2026年8月5日)、同報道発表(2023年9月27日、2024年9月18日)。消費者庁の訪問購入業者への行政処分(2025年11月26日)、九州経済産業局の処分(2026年8月5日公表)。
  6. 総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」令和3年(産業別集計 卸売業,小売業 第2表/総括表/産業横断的集計 9-1A)、総務省「日本標準産業分類(第13回改定)」。総務省統計局「国勢調査」2020年・2025年(2026年9月29日公表)、「人口推計」2021年・2024年10月1日、「住民基本台帳人口移動報告」2025年(2026年2月3日)、「住宅・土地統計調査」2023年、統計ダッシュボード。厚生労働省「人口動態統計(確定数)」2024年。
  7. 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年暦年(確報)・「宿泊旅行統計調査」、近畿運輸局「関西の観光統計について ~2025年12月分~」(法務省出入国管理統計)。
  8. 各社IR資料:ブックオフグループHD(2026年5月期 決算短信・FACT BOOK、2026年7月13日)、ハードオフコーポレーション(2026年3月期 決算短信・説明資料、2026年5月12日・22日)、ゲオHD(決算説明資料、2026年5月6日)、トレジャー・ファクトリー(決算短信・説明資料、2026年4月9日)、コメ兵HD(2026年3月期、2026年5月14日)、BuySell Technologies(決算短信 2026年2月13日、2026年12月期第2四半期説明資料 2026年8月14日)、バリュエンスHD(2026年8月期第3四半期、2026年7月10日)、買取王国(決算短信 2026年4月14日、月次 2026年9月7日)。各社の公式店舗検索(2026年10月10日閲覧)。日本リユース業協会(2026年7月16日)。
  9. 田中貴金属工業「金・プラチナ価格推移」(年次・月次・日次、2026年10月10日取得)、バリュエンス「Valuence indicator」ロレックス相場指数(2026年10月9日更新)、米連邦準備制度理事会 G.5A(参考)。ブランド品の定価改定は報道・買取店サイト(二次情報)。
注意事項:リユース市場規模は、リユース経済新聞(事業者の販売額、暦年、自動車を含まない)と環境省(消費者の購入額、3年ごと、自動車・バイクを含む)の2系列があり、混ぜていません。古物商等の許可件数は2020年4月の改正で集計単位が変わり、2019年以前と2020年以降は連続しません。許可は事業者数ではなく、個人の副業を含み、都道府県別の許可件数は公表資料から取れませんでした(関西の人口あたり許可件数は計算できず、代替として経済センサスの事業所数を使いました)。経済センサス2021年の細分類(6097、6098)は法人のみで、個人経営を含みません。年(暦年)、年度(4〜3月)、決算期(各社で異なる)を混ぜておらず、各図表に基準を書いています。店舗数は各社の公式店舗検索の件数で、IRの店舗数と一致しません。取れなかった項目:近畿・関西単独のリユース市場規模と消費者行動、府県別の古物商許可件数と個人・法人別内訳、新規許可・廃止件数、古物卸の事業所数、家計調査の中古品費目、出張買取の売却先割合、買取チャネル別(店頭・出張・宅配)の業界全体の比率、ポスティング・チラシ・LINE等の媒体別の広告費、府県別の訪問購入相談件数、近畿経済産業局の処分、コメ兵・ゲオ・大黒屋・バイセルの関西店舗数、エコリング・ウリドキ・おたからや・買取大吉の売上、大黒屋HDの決算、2026年の金・貴金属買取の本人確認強化に関する通達。中古自動車の古物営業は別資料『自動車販売市況マーケティング資料_関西』で扱っています。