株式会社Shido 調査レポート

介護・看護業界向け 採用戦略提案資料〈関西2府4県/施設・通所・訪問〉

作成 2026年10月対象 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山の介護事業所(訪問・通所・入所・居住)と、訪問看護・施設の看護職テーマ 採用市場の診断(求人倍率・供給・離職・求職者の行動・賃金)/戦略の5つの柱/チャネルと採用コスト/ターゲット別・サービス別・府県別の打ち手/規制と制度/90日の実行計画主な根拠 厚生労働省(職業安定業務統計・介護報酬改定・介護サービス施設・事業所調査)/介護労働安定センター/日本看護協会/全国老人福祉施設協議会/出入国在留管理庁/各労働局/各府県の人材確保事業

関西の介護・看護の採用は、条件の競争です。介護関係職種の求人倍率は3.76倍(全職業の約3.7倍)、訪問介護員の82.9%、訪問看護の看護職員の62.1%の事業所が「不足」と答えています。人は友人・知人の紹介(33.8%)で入職し、採用に効いたと答える方策の筆頭は賃金水準の向上(38.4%)、定着では休暇・勤務日時の融通(57.9%)です。紹介会社は1人あたり59.7万円(看護72.5万円)かかり、紹介経由の入職者は1年以内に辞める割合が最も高い一方、職員紹介経由は最も低くなっています。2026年6月に処遇改善加算が介護従事者に広がり、訪問看護も対象になりました。本資料は、この診断から、条件づくり・紹介の仕組み・チャネルの階段・入口の拡大・定着の5つの柱で、関西の介護・看護事業者が採用を設計するための戦略と、サービス種別・府県別の打ち手、90日の実行計画をまとめた汎用版の提案資料です。

3.76倍
介護関係職種の有効求人倍率(全国、2026年6月)。奈良4.52倍、大阪4.17倍。全職業は1.01倍
33.8%
入職の経路で最多の「友人・知人の紹介」。事業所のホームページ経由は2.2%、SNSは0.2%
38.4%
採用に効果があったと答える事業所が最も多い方策「賃金水準の向上」。定着では休暇・勤務日時の融通57.9%
59.7万円
介護職の紹介手数料(平均、2024年度)。看護72.5万円。1年以内離職は有料紹介が最高、職員紹介が最低
15,543人
関西の特定技能1号(介護)の在留者(2026年6月末)。3年で3.5倍。育成就労は2027年4月開始
+1.0万円
2026年6月の処遇改善(介護従事者の賃上げの設計値)。介護職員は最大月1.9万円。訪問看護も新たに対象
CHAPTER 1

結論 ── 採用の勝ち筋は「条件・紹介・無料経路」を先に固め、紹介会社は最後に使うこと

関西の介護・看護の採用市場を診断し、戦略を5つの柱にまとめました。結論を先に示し、各章で根拠となる数字と、具体的な施策を説明します。

3.76倍
介護関係職種の有効求人倍率(全国、2026年6月)。奈良4.52倍、大阪4.17倍。訪問看護STはナースセンターで4.54倍
第2章
33.8%
入職経路の最多は「友人・知人の紹介」。事業所のホームページ経由は2.2%、SNSは0.2%
第5章
59.7万円
介護職1人の紹介手数料(平均)。看護は72.5万円。紹介経由の入職者は、1年以内に辞める割合が最も高い
第8章
+1.0万円
2026年6月の処遇改善(介護従事者の賃上げの設計値)。生産性向上等で介護職員は最大月1.9万円
第6章
  • 診断1 市場は売り手市場が続く。介護の求人倍率は全職業の約3.7倍で、訪問介護員の不足感は82.9%、訪問看護の看護職員は62.1%です。必要な介護職員は2040年度まで増え続け(全国で+57万人)、大阪だけで2040年度に約6.2万人の差が見込まれます。一方、養成の入口は細り、介護福祉士養成施設の新卒者等は4年で36%減り、留学生が6割を占めます。
  • 診断2 人は「人づて」で来て、「条件」で選ぶ。就職経路の最多は友人・知人(33.8%)、勤続1年未満では求人サイトが21.3%です。採用に効いた方策は、賃金水準の向上(38.4%)と休暇・勤務日時の融通(28.6%)。辞めた理由の最多は人間関係で、その中身は上司・先輩のきつい言動です。
  • 診断3 紹介会社は、高く、早く辞めやすい。平均手数料は介護59.7万円・看護72.5万円(会員施設の調査では89.6万円)で、1年以内に辞める割合は有料紹介経由が最高(25.7〜29.1%)、職員紹介経由が最低(11.2〜12.8%)です。上限規制はなく、お祝い金禁止・手数料率の開示などの規制が強まっています。
  • 診断4 2026年6月に「原資」と「ルール」が変わった。処遇改善加算が介護従事者に拡大し、上乗せ区分が新設され、訪問看護も対象になりました。賃金を上げる原資が、制度として整いました。同時に、求人表示・労働条件明示・口コミの扱いが厳しくなっています。

戦略の5つの柱

柱中身根拠となる数字詳細
1 選ばれる条件をつくる賃金・休み・勤務日時の見直しと、求人票での数字の明示採用に効果:賃金38.4%、休暇・勤務日時28.6%。定着:57.9%第6・7章
2 紹介の仕組みをつくる職員紹介の制度化、退職者との接点、再雇用の打診経路33.8%・効果47.3%、1年以内離職11〜13%。再雇用の効果35.2%第7・8章
3 チャネルの階段無料(HW・福祉人材センター・ナースセンター)→職員紹介→求人サイト→紹介会社手数料59.7万円。年10人の試算で、構成により採用費が約597万円→約110万円第8章
4 入口を広げる未経験・異業種、シニア・介護助手、外国人材、学生、看護職の働き方枠異業種31.0%、介護助手0.57倍、特定技能(介護)関西15,543人第9章
5 定着で採用費を回収3か月・6か月・1年の面談、指導者の言動、新規開設期の設計29歳以下の離職17.3%、開設1〜3年は離職20%超第4・7章
読み方:本資料は、公的統計と業界団体の調査(2026年10月時点)に基づく汎用版で、特定の事業者の状況を前提にしていません。第10章でサービス種別・府県別の打ち手を、第12章で90日の実行計画と測る数字を示しています。看護(訪問看護を含む)の詳細な数字は、同時期に公開した『訪問看護業界マーケティング資料』を参照しています。
CHAPTER 2

市場診断① 求人倍率と需給 ── 介護は全職業の3.7倍。2040年に向けて必要数はさらに増える

提案の前提は、「採りたい人は、市場にほとんど残っていない」という事実です。介護・看護の求人倍率と、国が見込む必要人数を、関西の府県別に見ます。

3.76倍
介護関係職種の有効求人倍率(全国、2026年6月)。全職業は1.01倍で、約3.7倍の差
厚生労働省『職業安定業務統計』
4.52倍
奈良の介護関係職種の有効求人倍率(2026年6月)。大阪4.17倍、京都3.82倍、兵庫3.19倍、滋賀3.05倍、和歌山2.73倍
同
2.00倍
保健師・助産師・看護師の有効求人倍率(全国、2026年8月)。訪問看護STはナースセンターで4.54倍(2024年度)
同/日本看護協会
+35.4%
滋賀の必要介護職員数の2022年度→2040年度の増加。大阪+21.3%、奈良+25.4%、全国+26.5%
厚生労働省『第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数』
介護関係職種の有効求人倍率(府県別) 単位:倍。2026年6月、パート含む常用。『介護関係職種』は福祉施設指導専門員・介護サービス職業従事者などの合計。厚生労働省資料(グラフのデータラベルから読み取り)。
全国の3.76倍に対し、奈良(4.52倍)と大阪(4.17倍)が特に高い水準です。1年前(2025年3月)から、兵庫(3.95→3.19)、奈良(5.25→4.52)、和歌山(3.49→2.73)は下がり、京都は3.82倍で横ばいでした。倍率が下がっても、全職業の1.01倍とは約3倍の差があります。
介護関係職種と全職業の有効求人倍率の推移(全国) 単位:倍。年度。
介護関係職種全職業
介護は2019年度の4.23倍から、コロナ禍で3.62倍(2021年度)まで下がりましたが、2023年度以降は4倍前後で推移し、2025年度は3.98倍でした。全職業との差は、2.6〜2.9倍が続いています。

看護・福祉分野全体の倍率と、府県の違い

府県介護関係職種
(2026年6月)
看護職(保・助・看)
(2024年度)
ナースセンター
(看護・全施設、2024年度)
福祉人材センター
(福祉分野全体、2025年度)
滋賀3.051.763.213.85
京都3.822.132.532.92
大阪4.172.032.642.36
兵庫3.191.994.6210.26
奈良4.522.543.398.60
和歌山2.731.669.114.86
全国3.762.062.514.17
倍率は、集計の母集団が違います。ハローワークの倍率は労働市場全体、ナースセンター・福祉人材センターの倍率は、それぞれの窓口に登録された求人÷求職者です。兵庫・和歌山・奈良の高い値は、登録する求職者が少ないことによる面が大きい(兵庫の福祉人材センターは有効求職者98人で10.26倍)ため、府県の比較には、ハローワークの値を使います。労働局別の「介護サービス職業従事者」は、滋賀2.94倍(2026年8月、全職業0.91)、京都3.95倍(7月、同1.02)、大阪(福祉・介護の職業)3.71倍(同1.00)、兵庫3.62倍(同0.82)で、全職業との差は約+2.0〜+2.9倍です。訪問介護は特に高く、ハローワーク大阪梅田の訪問介護は14.92倍(施設介護は3.26倍)、京都では常用的パートが4.45倍(常用3.50倍)です。

需給 ── 国は2040年度まで必要人数が増え続けると見ている

必要な介護職員数の増加(2022年度比) 単位:%。第9期介護保険事業計画に基づく、都道府県の推計の集計(2024年7月公表)。
2026年度2040年度
全国では、2022年度の約215万人から、2026年度に約240万人(+25万人)、2040年度に約272万人(+57万人)が必要とされています。滋賀(+35.4%)と奈良(+25.4%)は、2040年度に向けた増え方が全国並みかそれ以上です。大阪は、2022年度の19.4万人から、2026年度に21.5万人(+2.2万人)、2040年度に23.5万人(+4.1万人)が必要です。

国の「現状推移」との差

府県2026年度の必要数と現状推移の差2040年度の必要数と現状推移の差
滋賀約1,900人約9,100人
京都約1,400人約5,800人
大阪約24,300人約61,900人
兵庫約1,900人約13,900人
奈良約5,300人約12,500人
和歌山約400人約3,300人
『現状推移』は、近年の入職・離職の動向をもとにした参考値で、新しい施策の効果を含みません。必要数との差は、国が「不足数」として公表した値ではなく、当社の計算です。大阪は2026年度の差が約2.4万人と、他の府県に比べて突出しています。
福祉人材センターの職種別 有効求人倍率(全国) 単位:倍。2025年度の月平均。福祉分野の無料職業紹介。
看護職(19.3倍)、ホームヘルパー(7.9倍)、介護職(5.5倍)、ケアマネジャー(4.4倍)に対し、介護助手は0.57倍と、求人より求職者のほうが多い唯一の職種です。専門職の仕事を細かく切り分けて短時間の助手を募る方法は、今の市場で人が見つかりやすい入口です(第9章)。

看護側の需給(既存調査)

  • 看護職の有効求人倍率:2024年度は全国2.06倍、奈良2.54倍、京都2.13倍、大阪2.03倍、兵庫1.99倍、滋賀1.76倍、和歌山1.66倍。
  • 訪問看護:ナースセンターの求人倍率は4.54倍で、病院(1.93〜3.00倍)の1.5〜2.4倍。訪問看護STの看護職員が「不足」と答えた事業所は62.1%(第4章)。
  • 国の需給推計:2025年に、大阪は実人員で29,672人の不足(国の方法)、兵庫は4,380人の不足、滋賀は需要18,934人に対し供給18,057人。2040年に向けた新しい推計は、2026年10月時点で未公表です。
  • 病院の離職率:2024年度は大阪・奈良が14.1%で全国最高(全国11.0%)。転職市場に人が動く地域です。
CHAPTER 3

市場診断② 人材の供給 ── 新卒は減り、外国人が増える。関西の介護職員は約38万人

採用の対象になる人は、どこから来るのでしょうか。いまの介護人材の構成、養成校の入学者、国家試験、外国人材の4つの入口を、関西の数字で見ます。

37.6万人
関西6府県の主要13サービスの介護職員(2024年10月、実人員)。全国196.9万人の19.1%。うち大阪が18.0万人
厚生労働省『介護サービス施設・事業所調査』
73.6%
介護福祉士養成施設の定員充足率(全国、2026年度)。入学者の60.6%が外国人留学生
日本介護福祉士養成施設協会
15,543人
関西の特定技能1号(介護)の在留者数(2026年6月末)。2年で2.1倍。全国は79,884人
出入国在留管理庁
49.5歳
介護労働者の平均年齢(全国)。訪問介護員は51.1歳で、60歳以上が26.6%
介護労働安定センター『介護労働実態調査』

いま働いている人 ── 非常勤が多い大阪、高齢化する訪問介護

府県介護職員(主要13サービス)非常勤の割合介護福祉士の割合訪問介護員特養
滋賀19,13145.6%55.5%4,7133,485
京都40,17242.2%56.5%12,4816,421
大阪179,77350.6%48.5%88,24818,079
兵庫90,98648.8%54.8%29,53913,473
奈良24,25243.7%50.7%6,9983,888
和歌山21,42743.0%54.8%7,6502,803
関西計375,741―51.8%149,62948,149
全国1,968,74640.3%53.4%520,612299,123
訪問介護・通所介護・短期入所・特定施設・グループホーム・小規模多機能・看護小規模多機能・定期巡回・特養・地域密着型特養・老健・介護医療院など13種の単純合計(実人員、常勤+非常勤)。通所リハ・訪問入浴・総合事業などは含まず、同一人物の複数事業所の勤務を重複して数えることがあります。大阪は訪問介護員だけで8.8万人(関西の訪問介護員の59%)です。介護福祉士の割合の関西計は当社計算です。
介護労働者の年齢構成(全国) 単位:%。2025年度、労働者調査(n=20,675)。全体と訪問介護員。
全体訪問介護員
全体の平均は49.5歳、訪問介護員は51.1歳で、60歳以上が26.6%(全体は21.3%)です。事業所調査の65歳以上の割合は、訪問介護員で全国22.3%、奈良は介護職員が14.9%と全国(11.7%)を上回ります。29歳以下の離職率は17.3%と、年代別で最も高くなっています。

養成の入口 ── 日本人の新卒は減り、留学生が6割

介護福祉士養成施設の入学者(全国) 単位:人。2022〜2026年度。日本介護福祉士養成施設協会の調査(回答校)。
新卒者等外国人留学生離職者訓練
入学者は2022年度の6,802人から2026年度の7,780人に増えましたが、新卒者等は4,296人から2,756人に減り、外国人留学生が1,880人から4,712人に増えて穴を埋めています。定員充足率は54.6%から73.6%へ上がりました。養成施設は314課程から266課程に減っています。留学生の出身は、ネパール2,539人、ミャンマー904人、ベトナム377人など。
介護福祉士国家試験の府県別合格者 単位:人。第37回(2024年度)と第38回(2025年度)。
第37回第38回
第38回の全国の受験者は78,469人、合格者は54,987人(合格率70.1%)で、前回の78.3%から下がりました。養成施設ルートの合格率は58.8%、留学生は2024年度に35.1%(日本人は91.9%)です。関西の合格者は、すべての府県で前回より減りました。登録者は全国で206万人(2026年1月末)です。

外国人材 ── 5年で関西の特定技能(介護)は3.5倍

特定技能1号(介護)の在留者数(関西6府県) 単位:人。各6月末・12月末。出入国在留管理庁。
2023年6月末の4,466人から、2026年6月末の15,543人へ、3年で3.5倍です。全国(21,915人→79,884人、3.6倍)と同じ伸びです。府県別は、大阪7,355人、兵庫3,755人、京都1,796人、奈良1,121人、滋賀909人、和歌山607人(2024年6月からの伸びは、和歌山2.84倍、滋賀2.63倍、京都2.46倍、奈良2.35倍、兵庫2.13倍、大阪1.92倍)。

制度の整理

制度人数(全国)備考
特定技能1号(介護)79,884人(2026年6月末)女性81.6%、18〜29歳75.5%。インドネシア26,433人、ミャンマー24,313人、ベトナム9,928人
在留資格「介護」15,891人(2025年12月末)前年比+30.0%。関西は大阪3,140人、兵庫840人、京都244人
EPA(介護福祉士候補者)3,180人(2025年4月)府県別は非公表
技能実習(介護)15,909人(2023年12月末)育成就労へ移行(2027年4月1日開始)
受入れの実態(介護労働実態調査・事業所調査):全国で1つ以上の在留資格で受け入れている事業所は18.6%で、近畿は20.8%(受入れなし79.2%)。施設系(入所)は50.0%、居住系39.7%、通所系11.0%、訪問系9.8%です。訪問系サービスへの従事は、2025年4月に技能実習、4月21日に特定技能で解禁されました。受入れの課題は、意思疎通が難しい(49.1%)、住宅・寮の確保(39.6%)、サポート役の負担(35.7%)です。受入れ費用の相場は、公的資料では確認できませんでした。
CHAPTER 4

市場診断③ 採用・離職・不足感 ── 訪問介護員の83%が不足。新しい事業所と29歳以下で人が動く

人手不足の「濃さ」と、人が動く場所を、サービスの種類、年齢、事業所の開設後年数、府県で見ます。採用の打ち手を、どこから優先するかを決める材料です。

82.9%
訪問介護員が「不足」と答えた事業所の割合(全国、2025年度)。介護職員は69.8%、看護職員は44.8%、訪問看護の看護職員は62.1%
介護労働安定センター『介護労働実態調査』
12.4%
介護職員(訪問介護員+介護職員)の離職率(全国、2025年度)。採用率は14.6%。全産業の離職率より低い
同
17.3%
29歳以下の離職率。採用率も32.1%と高く、若い層は「入っては出る」。60〜64歳の離職率は10.4%
同
20.5%
開設して1〜2年の事業所の離職率。2〜3年は21.4%、10年以上は11.4%。新しい事業所ほど人が定着しにくい
同
採用率と離職率の推移(2職種計) 単位:%。訪問介護員+介護職員、全国、各年度。
採用率離職率
採用率は2023年度の16.9%をピークに14%台に下がり、離職率は14.3%から12.4%へ下がっています。離職率の低下は続いていますが、採用率の低下が先に進んだため、人数の純増(増減率)は2023年度の3.8%から2.2%に縮みました。
年齢階層別の採用率・離職率 単位:%。2職種計、全国、2025年度。
採用率離職率
29歳以下は採用率32.1%・離職率17.3%と、入れ替わりが最も激しい層です。40代以上は離職率が10〜11%台で、65歳以上は採用率7.1%・離職率9.8%(人数が減る方向)。新卒・若手は採用しても辞めやすく、中高年は定着しやすい構図です。

サービスの種類で違う ── 採用難は「訪問」と「入所」で別の形

サービス別の採用率と離職率(2職種計) 単位:%。全国、2025年度。回答事業所数が多い主要サービス。
採用率離職率
訪問看護(採用18.8%・離職14.2%)、特定施設(16.5%・14.1%)、通所介護、認知症GHの順に動きが大きく、老健(12.1%・10.7%)、特養(13.6%・12.4%)は動きが小さい構成です。【系型】では、訪問系は採用15.3%・離職12.0%、施設系(入所)は13.3%・12.1%、居住系は15.8%・13.6%です。法人の属性では、営利法人(採用16.4%・離職13.2%)が、社会福祉協議会(8.4%・9.2%)や社会福祉法人(13.4%・12.1%)より動きます。
サービス別の不足感 単位:%。「大いに不足+不足+やや不足」。訪問介護は訪問介護員、他は介護職員。2025年度。
訪問介護の訪問介護員が86.0%と最も高く、老健(80.8%)、特養(79.1%)、認知症GH(78.7%)の介護職員が続きます。入所系・居住系は「人数・質ともに確保できていない」が施設系(入所)で42.0%と多く、質の面でも苦しい構図です。地域密着型通所介護(52.1%)は、不足感が相対的に小さいサービスです。
事業所の開設後年数別の採用率・離職率(2職種計) 単位:%。全国、2025年度。
採用率離職率
開設1〜2年の事業所は、採用率39.1%・離職率20.5%、2〜3年は30.9%・21.4%と、採用も離職も大きい状態です。10年以上は12.7%・11.4%で落ち着きます。新規開設の多い関西では、立ち上げ期の定着の設計が、採用の成否を左右します(訪問看護STは5年で1.6倍、第3章の既存調査)。

離職の山と、辞めた人の理由

  • 離職者の34.4%が勤続1年未満(令和4年度調査が最新。令和5年度以降は設問なし)。特養では、退職した介護職員の勤続1年未満が26.7%、1〜3年未満が25.9%(福祉医療機構、2024年度)。
  • 採用した人の評価:「人数・質ともに確保できていない」30.6%、「質には満足だが人数が足りない」27.6%。「事業運営上の課題」で最多は、「現行の介護報酬では十分な賃金を払えない」61.8%、「良質な人材の確保が難しい」60.4%。
  • 辞めた理由:前職が介護関係の人の1位は人間関係(27.3%)、2位は事業理念や運営への不満(21.0%)。人間関係の中身は、上司・先輩のきつい言動(45.8%)。
  • 就職した理由(全体):1位は「通勤が便利」51.8%。勤続1年未満では、「人間関係がよさそう」41.7%、「やりたい介護ができそう」40.3%、「時間外労働が少ない」30.5%が上位に上がります。

関西の府県別 ── 大阪・兵庫は動きが大きく、和歌山・滋賀は小さい

府県採用率
(2職種計)
離職率
(2職種計)
訪問介護員の
不足感
介護職員の
不足感
看護職員の
不足感
「定着率が低く
困っている」
滋賀13.3%11.3%*85.1%82.3%50.1%21.0%
京都13.9%11.7%90.0%73.3%58.1%22.7%
大阪16.8%12.8%83.4%67.6%46.8%17.6%
兵庫17.3%14.2%89.1%68.8%42.2%20.9%
奈良15.7%13.8%*85.5%73.7%37.7%19.6%
和歌山11.8%10.8%*73.6%58.3%35.5%15.2%
全国14.6%12.4%82.9%69.8%44.8%18.7%
介護労働安定センター『介護労働実態調査』(2025年度、事業所調査)の府県別表。*は回答事業所数が50未満(滋賀・奈良・和歌山の訪問介護員は27〜48事業所)の参考値で、順位の断定には使えません。兵庫の訪問介護員の不足感は前年の84.1%から89.1%、滋賀の介護職員は54.3%から82.3%に上がり、和歌山の介護職員は68.9%から58.3%に下がりました。大阪は採用率が高いのに不足感が低めで、採用の「量」は動いているが、その分離職も多い市場です。看護の側(第2章)では、病院の離職率が大阪・奈良で14.1%と全国最高、訪問看護の看護職員の採用率は24.1%・離職率は15.1%(全国)です。
CHAPTER 5

市場診断④ 求職者の行動 ── 入職の3分の1は友人・知人。自社サイトとSNSは入口になっていない

採用のやり方を決める前に、実際に働いている人が「どこから来たのか」を見ます。入職の経路、きっかけ、前職、辞めた理由、不満の中身を整理します。

33.8%
現在の法人に就職した経路で最も多い「友人・知人の紹介」(全国、介護)。ハローワークは19.4%、求人サイト9.6%
介護労働安定センター『介護労働実態調査』(2025年度)
2.2%
事業所のホームページ経由の入職。SNS経由は0.2%、福祉人材センター経由は1.0%
同
31.0%
介護労働者の直前の仕事が「介護・福祉・医療以外」の割合。異業種からの転職者の平均年齢は51.5歳
同
45.8%
前職が介護関係で人間関係を理由に辞めた人のうち、「上司や先輩の指導・言動がきつい/パワハラがあった」と答えた割合
同
現在の法人に就職した経路 単位:%。全体(n=20,675)と、勤続1年未満(n=1,602)。介護労働者の全国調査(図表の並びからの転記)。
全体勤続1年未満
全体では友人・知人(33.8%)が最多ですが、勤続1年未満の人では、求人情報サイトが21.3%に上がり、民間の職業紹介も7.1%に増えます。直近の入職者ほど、ネット経由が増えています。事業所のホームページ(2.2%)とSNS(0.2%)は、採用の「入口」にはなっていません。
介護の仕事に就いたきっかけ 単位:%。複数回答(n=20,675)。
きっかけの上位は「身近に介護が必要な人がいた」(27.8%)と「身近に介護の仕事をしている人がいた」(26.3%)で、体験と人づての影響が大きい結果です。職業訓練・講習(8.3%)、ボランティア(7.2%)、ハローワークの相談(7.1%)が続きます。SNS・ネット(2.2%)やドラマ・漫画(1.2%)は少数ですが、経験3年未満では「SNS・WEB・ネット等」の割合が全体より高くなっています。

どんな人が来るのか ── 異業種の中高年が最大の供給源

  • 前職:前職がある人(n=16,901)のうち、直前の仕事が「介護・福祉・医療関係以外」の人は31.0%(介護職員の40.3%、訪問介護員の36.1%)です。直前が介護関係の仕事だった人は36.5%です。
  • 年齢:異業種からの入職者の平均年齢は51.5歳、前職のない人(新規学卒等)は41.6歳です。福祉人材センターの新規求職者は、50歳代が30.3%、60歳代が19.7%、平均は48.0歳です(2025年度)。
  • 辞めた理由:直前が介護関係だった人の最多は「職場の人間関係に問題があった」(27.3%)で、その具体的な内容は「上司や先輩の指導や言動がきつい/パワハラがあった」(45.8%)です。介護以外から来た人の最多は「結婚・妊娠・出産・育児のため」(20.1%)です。
  • 採用した人材の評価:「人数・質ともに確保できていない」が30.6%、施設系(入所)では42.0%です。「質には満足だが人数は確保できていない」が27.6%です。
現在の仕事への満足と不満 単位:ポイント(D.I.)。満足−不満。全国、労働者調査。
満足が大きいのは職場の人間関係(+38.2)と仕事の内容(+34.2)。マイナスは、人員配置体制(−18.5)、休憩室などの設備(−12.5)、賃金水準(−12.3)です。「働きやすい」67.5%、「働きがいがある」63.2%(施設系入所の介護職員は54.9%、48.4%)。悩みの上位は、人手が足りない(52.3%)、仕事内容のわりに賃金が低い(38.1%)、昇給がない・少ない(29.9%)です。

「入る前のイメージ」と「入ってからの実感」のずれ

項目介護労働者の実感と、
非介護の労働者のイメージの差
自分の都合に応じた働き方ができる+49.9ポイント
休暇の取得のしやすさ+47.8ポイント
残業時間+38.3ポイント
令和7年度特別調査「労働者の意識に関する介護事業と他産業との比較調査」。介護で働く人の実感が、介護以外で働く人のイメージより、大幅に良い項目です。非介護の30〜65歳で、転職を考える・分からない層の18.2%は、「介護で働きたい」または「条件が合えば働いてもよい」と答えています。

SNS・口コミの影響(民間調査)

  • ワークポート調査(2026年5〜6月、20〜40代の転職者n=308):公式サイトや求人票以外に、SNS・口コミを「確認する」が83.8%。確認した人の48.0%が、応募・選考をやめた経験があります。公式情報と食い違うとき信頼するのは、SNS・口コミが43.8%、公式サイト・求人票が29.1%でした。
  • 応募を続けたくなる状態:良い面・悪い面の両方が見える(73.6%)、現場の空気感が伝わる(51.6%)、1日の流れが分かる(51.2%)。過度な演出は逆効果(44.2%)。
  • マイナビ調査(2025年):2024年に転職した正社員の51.3%が、前職についてSNS・口コミに投稿しています。
民間調査は、自社サービス利用者が対象で、介護・看護に限定した結果ではありません。参考値として扱います。
看護職の転職:日本看護協会の個人調査(2025年)で、転職経験のある看護職(n=2,255)が、直近の転職先に就職したきっかけは、友人・知人の紹介31.0%、転職先のホームページ求人21.3%、ハローワーク14.6%、民間の職業紹介12.4%、ナースセンター9.0%。必要な支援は、希望する仕事内容・条件とのマッチング(49.8%)、キャリアプランの相談(41.7%)、「その領域で働く看護職から話を聞けること」(26.7%)です。看護職の転職では、転職先のホームページ求人が21.3%と、介護の入職経路(事業所ホームページ2.2%)より高く出ています(調査が別のため参考値)。
CHAPTER 6

市場診断⑤ 賃金と処遇改善 ── 月給25.5万円。2026年6月の加算拡充が、条件づくりの原資になる

賃金は、採用に効いたと答える事業所が最も多い方策です(38.4%)。現在の賃金水準、府県差、求人広告の提示賃金、そして2026年6月に拡充された処遇改善の制度を整理します。

25.5万円
介護労働者(月給の人)の平均月収。税込、賞与・残業代を除く。前年比+2.4%。訪問介護員は24.0万円(+4.1%)、介護職員は24.0万円(+3.1%)
介護労働安定センター『介護労働実態調査』(2025年度)
27.0万円
大阪の月給の人の平均月収(全国25.5万円)。京都26.8万円、兵庫26.5万円、奈良25.7万円、和歌山24.9万円、滋賀24.1万円
同
+1.0万円
2026年6月の処遇改善(介護従事者の賃上げの設計値)。生産性向上等の取組で介護職員は+0.7万円、定期昇給込みで最大月1.9万円
厚生労働省『令和8年度介護報酬改定(臨時)』
−12.3
賃金水準の満足度D.I.(全職種計)。介護職員は−24.9、訪問介護員は−0.6。大阪は+1.3、滋賀は−25.1
同『介護労働実態調査』
介護労働者の平均月収の推移(月給の人) 単位:万円。税込・賞与や残業代を除く、通常月。全国。
平成28年度の21.6万円から、令和7年度の25.5万円へ、9年で+3.9万円(+18%)です。令和6年度は+3.1%、令和7年度は+2.4%と、毎年2〜3%台で上がっています。時間給の人の平均は、1,067円(2016年度)から1,321円(2025年度)です。
府県別の平均月収(月給の人) 単位:万円。2025年度、全職種。
大阪・京都・兵庫が全国を1万円前後上回り、滋賀(24.1万円)は前年より下がって(24.4万円→24.1万円)関西で最も低く、和歌山(24.9万円)、奈良(25.7万円)が続きます。賃金水準の満足度D.I.は大阪+1.3、和歌山−2.2、奈良−3.2、兵庫−5.3、京都−8.8、滋賀−25.1で、滋賀は賃金の満足度が際立って低い府県です。「仕事内容のわりに賃金が低い」と答える人も滋賀は46.2%(全国38.1%)です。

他の職種・統計との比較

職種(全国)平均月収
(介護労働実態調査)
所定内給与
(賃金構造基本統計)
訪問介護員239,756円(+4.1%)267.3千円(訪問介護従事者、+0.5%)
介護職員239,855円(+3.1%)262.9千円(医療・福祉施設等、+2.9%)
サービス提供責任者263,280円(+2.5%)―
介護支援専門員259,950円(+0.8%)298.8千円(+2.5%)
看護職員(介護事業所)293,318円(+1.1%)333.2千円(看護師、全産業、+1.1%)
全職種計254,951円(+2.4%)340.6千円(全産業・一般労働者)
賃金構造基本統計調査(2025年)は、企業規模10人以上の民営事業所の一般労働者の所定内給与で、介護労働実態調査の平均月収(手当込み・賞与除く、小規模事業所を含む)とは定義が違います。推定年収は、介護職員で約388万円、看護師で約525万円、全職種計で約546万円です(賃金構造基本統計調査、現金給与×12+賞与、当社計算)。

求人広告の提示賃金(全国求人情報協会、2026年4〜6月)

区分正社員の月給パート・アルバイトの時給
医療・福祉サービス(介護サービス、看護助手など)265,363円(+5.1%)1,403円(+1.2%)
医療・福祉専門職(看護師、ケアマネなど)254,057円(+6.0%)1,466円(+1.6%)
近畿(全職種)259,271円(+3.5%)1,318円(+1.4%)
大阪(全職種)260,710円1,352円
和歌山・奈良(全職種)269,380円・261,777円1,235円
求人広告の「募集時の提示賃金」の平均で、実際の支払賃金ではありません。介護・看護の府県別の賃金は公表されていません(地域別は全職種のみ)。介護サービスの正社員月給の前回比+3.0%は、21職種の中で最大でした。関西のパート募集の平均時給(2026年2月)は、看護師1,745円(+3.7%)、介護福祉士1,310円(+3.7%)、介護スタッフ1,297円(−2.3%)、訪問介護員1,462円(−2.9%)です。

2026年6月の処遇改善 ── 何が変わったか

  • 介護報酬の期中改定(+2.03%):令和9年度改定を待たず、2026年6月に施行。処遇改善加算の対象を、介護職員から介護従事者に拡大し、月1.0万円(3.3%)の賃上げを見込みます。
  • 上乗せ区分(新設):生産性向上・協働化に取り組む事業者の介護職員に、月0.7万円(2.4%)を上乗せ。定期昇給0.2万円込みで、介護職員は最大月1.9万円(6.3%)。加算は「Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ」の区分になりました。
  • 新たに対象になった:訪問看護(1.8%)、訪問リハビリ(1.5%)、居宅介護支援(2.1%)。
  • 上乗せ(ロ)の特例要件(令和8年度):ケアプランデータ連携システムの利用、生産性向上推進体制加算の算定、社会福祉連携推進法人への所属のいずれか。
  • つなぎの補助金:令和7年度補正予算で、介護従事者に月1.0万円相当、介護職員は最大月1.9万円相当を6か月分、都道府県が補助(対象外:2026年4月以降の新規開設の事業所など)。
  • 賃金改善の原則:増えた加算額は、過去の独自の賃上げ実績に関わらず、新規の賃金改善に充てる。基本給(ベースアップ)による改善が望ましい。
処遇改善加算の加算率(令和8年6月〜、Ⅰイ と Ⅰロ) 単位:%。サービス別。
ⅠイⅠロ(上乗せ)
加算率は訪問介護(27.0〜28.7%)、認知症GH(21.0〜22.8%)、特養(16.3〜17.6%)、特定施設(14.8〜15.9%)、通所介護(11.1〜12.0%)、老健(9.0〜9.7%)の順で、上乗せ(ロ)は訪問介護で+1.7pt、GHで+1.8pt、特養で+1.3pt、通所介護で+0.9pt、老健で+0.7ptです(当社計算)。令和6年度の取得状況(届出あり95.5%、加算Ⅰは全体45.7%、特養80.1%、訪問介護44.5%、通所介護36.7%)から、上位区分への移行が採用上の差になります。
求人票への使い方:加算は、国の設計値(常勤換算1人あたり)で、個々の職員の給与が必ずその額になるわけではありません。賃金改善に充てた金額・方法(基本給のベースアップなど)を、求人票に具体的な数字で書ける状態にすることが、採用での使いどころです(職業安定法の的確表示の義務に注意、第11章)。訪問看護の医療保険分は、ベースアップ評価料(Ⅰ)が2026年6月に780円から1,050円(継続的に賃上げするSTは1,830円)に上がりました(訪問看護レポートの第5章)。
CHAPTER 7

戦略の設計 ── 5つの柱。条件づくりと紹介の仕組みが先、紹介会社は最後

ここまでの診断(求人倍率は介護3.76倍・訪問看護4.54倍、入職の3分の1は友人・知人、ネットの入口は小さい、紹介会社は1人60〜90万円)から、採用戦略を5つの柱に整理します。「採用」と「定着」を分けず、1つの流れとして設計します。

  • 柱1 選ばれる条件をつくる(賃金・休み・勤務日時)。事業所が「採用に効果があった」と答える方策は、賃金水準の向上(38.4%)、休暇・勤務日時の変更をしやすい職場づくり(28.6%)、仕事と育児・介護の両立支援(23.5%)、人間関係が良好な職場づくり(22.4%)です。定着では、休暇・勤務日時(57.9%)、人間関係(54.6%)、賃金(51.6%)が上位です。求人票に、具体的な数字(月給・手当・休日・残業時間)で書ける状態をつくることが、すべての出発点です。
  • 柱2 紹介の仕組みをつくる(職員紹介・元職員)。入職経路の最多は友人・知人(33.8%)で、職員紹介を依頼した事業所の47.3%が効果ありと答えています。再雇用の打診は実施が18.2%と少なく、効果は35.2%です。採用後1年以内に辞める割合は、職員紹介経由が最も低く(訪問介護員11.2%、介護職員12.8%)、有料職業紹介経由が最も高い(29.1%、25.7%)という結果です(2023年度調査)。職員の紹介制度と、退職者との接点の維持を、制度として運用します。
  • 柱3 チャネルを「階段」で使う(無料→低コスト→有料)。ハローワーク・福祉人材センター・ナースセンター(無料)、職員紹介、求人サイト、そして紹介会社の順に、取りこぼしを埋めます。紹介会社は、不足する職種・時期に絞り、手数料率の実績と返戻金を確認して契約します(第8章)。
  • 柱4 入口を広げる(経験者以外の層)。未経験・異業種(入職者の31.0%)、シニア・介護助手(求人倍率0.57倍)、外国人材(関西で15,543人)、学生、看護職の働き方の希望に合わせた枠を用意します(第9章)。
  • 柱5 定着で採用コストを回収する。紹介経由で入職した人の50.2%が辞め、その56.8%は6か月以内です。29歳以下の離職率は17.3%、特養の退職者の52.3%が勤続3年未満です。入職後3か月・6か月・1年の面談と、指導する側の言動の見直しが、採用費の回収に直結します(辞めた理由の最多は上司・先輩の言動)。
採用に効果があった方策、定着に効果があった方策 単位:%。実施している事業所のうち、効果があったと答えた割合(上位)。全国、2025年度(n=8,899)。
採用に効果定着に効果
採用で最も効いたとされるのは賃金水準の向上(38.4%)、定着で最も効いたとされるのは休暇・勤務日時の変更のしやすさ(57.9%)です。託児所の設置・保育費用の支援も、採用(23.4%)・定着(37.4%)で効果が高めですが、実施は6.9%と少ない施策です。事業所が最も多く取り組むのは、休暇・勤務日時(75.4%)と人間関係(74.2%)です。
実施率と、採用への効果(実施した事業所のうち) 単位:%。方策の「取り組みやすさ」と「効き」の関係。
実施率が高く効果も高い「賃金」「休暇・勤務日時」「両立支援」は、手を付ければ成果が出やすい施策です。実施率が低い「託児所・保育費用の支援(6.9%)」は、実施している事業所の23.4%が採用に効果ありと答える、空いている領域です。研修の充実(55.9%実施、効果12.0%)は、採用ではなく定着(27.4%)に使う施策です。

施策の優先順位

優先施策費用感効く時期根拠(公的資料)
1求人票・採用ページの全面見直し(月給・手当・休日・残業・研修を数字で。固定残業代の分解、労働条件明示)小即時職業安定法、2024年4月の明示事項追加。就職経路の「求人サイト」は勤続1年未満で21.3%
2職員紹介制度(規程化、手当の設計)/退職者との接点の維持小〜中1〜3か月経路の33.8%・効果47.3%/再雇用の打診35.2%
3無料経路の定常運用(ハローワークの求人票とアウトリーチ、福祉人材センター、ナースセンター)ほぼ無料1〜3か月2026年度は全HWで医療・介護・保育のアウトリーチ。京都・奈良は福祉人材センターの就職率が高い
4賃金・手当の見直し(2026年6月の処遇改善加算・ベースアップ評価料を原資に)中〜大3〜6か月採用に効果38.4%・定着51.6%。介護職員の賃上げ(月1.0万円+0.7万円)、訪問看護の処遇改善加算1.8%
5休暇・勤務日時の選択制、短時間・週休三日・オンコール軽減の枠中3〜6か月定着に効果57.9%。看護職の週休三日の希望31.2%
6介護助手・サポーターの切り出し、未経験者の入門的研修・初任者研修の費用補助中3〜6か月介護助手の求人倍率0.57倍。府県の補助金
7外国人材の受入れ準備(住居・サポート役・登録支援機関)中〜大6〜12か月関西で15,543人。育成就労(2027年4月)への移行
8紹介会社の活用(職種・時期を限定。適正認定事業者、返戻金の確認)大(1人60〜90万円)即時手数料率の実績の公表(2025年4月)。早期離職が多い
9口コミ・SNS・自社サイトの整備(等身大の発信、現場の1日、職員の声)小〜中6か月〜経路は小さい(HP2.2%、SNS0.2%)が、確認する人は83.8%(民間調査)
費用感・効く時期は、公的資料の数値ではなく、当社の整理です。入職の経路としての自社サイト・SNSは小さいものの、応募を決める最後の確認の場として使われていると考えられます(SNS・口コミを確認する人の48.0%が、応募・選考をやめた経験がある、民間調査)。入口を作るためではなく、応募者が離れないための整備として位置づけます。
CHAPTER 8

チャネル戦略と採用コスト ── 紹介会社は1人60〜90万円。職員紹介・無料経路を先に使い切る

採用チャネルは、「効果の大きさ」と「1人あたりの費用」と「定着」の3つで選びます。事業所の自己評価、紹介手数料の水準、無料の公的経路の実績、2025〜2026年の規制を組み合わせて、使い分けの設計を示します。

53.4%
有料職業紹介所を使った事業所のうち「採用に効果があった」と答えた割合。実施率は37.9%
介護労働実態調査(2025年度、n=8,899)
59.7万円
介護職の紹介1件あたり平均手数料額(全国、2024年度)。看護は72.5万円。手数料率は介護20.2%、看護21.6%
厚生労働省『職業紹介事業報告』
89.6万円
老施協の会員施設が、常勤の介護福祉士1人の紹介に支払った平均手数料(2025年度調査)。最高170万円、100万円超が33.7%
全国老人福祉施設協議会
56.8%
紹介経由で入職して辞めた介護職員のうち、6か月以内に辞めた人の割合(老施協、2025年度調査)。辞めた人は入職者の50.2%
同
採用活動の実施率と、「効果があった」割合 単位:%。全国の介護保険事業所(n=8,899)。効果ありは、実施した事業所のうちの割合。2025年度。
実施している効果があった(実施した事業所のうち)
実施が最も多いのは、職員への紹介依頼(66.0%)とハローワーク・福祉人材センターへの相談(64.8%)です。効果ありの割合が高いのは有料職業紹介(53.4%)、職員紹介(47.3%)、求人サイト(44.8%)、ハローワーク等(41.8%)。自社ホームページ(24.4%)、職場体験(23.6%)は低めです。離職者への再雇用の打診(35.2%)は、実施率が18.2%と低いわりに、効果は職員紹介に次ぐ水準です。
紹介手数料の水準 単位:万円。1人あたり。調査の対象が異なる値の並置(各行に出典)。
全国の平均は、介護59.7万円、看護72.5万円、医師107.8万円(職業紹介事業報告、2024年度)。会員施設の調査では、常勤の介護福祉士で89.6万円(老施協、2025年度)、特養の正規職員1人で91.7万円(福祉医療機構、2023年度)と、平均より高くなります。手数料率の平均は、介護20.2%、看護21.6%、保育24.3%(2024年度実績)で、上限規制は導入されていません。

経路で定着が違う ── 職員紹介は辞めにくく、有料紹介は辞めやすい

採用経路別の、採用後1年以内に辞めた人の割合 単位:%。採用した人のうち、1年以内に離職した割合。全国、2023年度調査(直近の経路別データ)。
訪問介護員介護職員
採用後1年以内の離職割合は、有料職業紹介が最高(訪問介護員29.1%、介護職員25.7%)、職員等からの紹介が最低(11.2%、12.8%)です。全採用者の1年以内離職は、訪問介護員18.4%、介護職員19.6%でした。職員紹介は採用者の割合も訪問介護員で31.1%と最大の経路で、採用数・定着の両面で効く経路です。福祉人材センターは、訪問介護員4.5%と低い一方、採用者の割合は1%未満です。この設問は2023年度調査のみで、2024年度以降はありません。

紹介手数料(介護、府県別)

地域平均手数料額紹介就職後6か月以内の離職率
全国59.7万円19.9%
近畿ブロック60.3万円20.1%
京都77.7万円21.2%
大阪58.5万円19.3%
兵庫59.4万円23.2%
奈良70.1万円―
『職業紹介事業報告』2024年度(紹介事業所の所在地別)、早期離職は2023年度実績(紹介就職後6か月以内)。介護は看護(全国12.9%)より6か月以内の離職が約7ポイント高い。滋賀・和歌山は事業所数が少なく非公表です。

無料・低コストの経路 ── 関西は府県差が大きい

福祉人材センターの採用人数(府県別) 単位:人。2025年4〜12月の累計。福祉人材情報システム上の数値。
全国の採用は2,679人で、新規求職者41,359人に対する就職率は平均6.5%です。関西は、京都(採用187人、就職率11.6%)と奈良(71人、15.9%)が高く、大阪(44人、2.9%)、滋賀(27人、3.7%)、兵庫(15人、5.3%)は低くなっています。京都は学生の求職者が43.5%を占めます。費用は無料で、センター経由で採用が決まっても手数料・登録料は発生しません。
経路費用関西での使いどころ
ハローワーク無料2026年度は全ハローワークで、医療・介護・保育の事業所へのアウトリーチ(訪問)支援を最重点として実施。大阪は12所に人材確保対策コーナー、兵庫は8所に人材支援総合コーナー
福祉人材センター無料求人の掲載、就職フェア、出張相談。京都・奈良で実績が高い。実務者研修・再就職の貸付も案内できる
ナースセンター無料看護職。訪問看護STの求人倍率4.54倍で、登録は求人側に有利。関西の求人÷求職は6倍以上(訪問看護レポート第8章)
職員の紹介紹介手当(事業所設定)就職経路の最多(33.8%)。手当の公的な相場調査はない
再雇用の打診ほぼ無料過去1年に再雇用した事業所は、訪問介護員17.9%、介護職員18.8%
福祉人材センターは、全体の入職のごく一部(採用は府県で年に数十人〜200人弱)で、求職者の登録が少ない府県では倍率だけが高く出ます(兵庫は有効求職98人、10.26倍)。就職率の高い京都・奈良の運用(専用の就職フェア、認証法人のコーナーなど)が参考になります。

採用コストの試算の型 ── 年間10人を採用する介護事業所の例

チャネル構成(年間10人)前提採用費の目安
A:10人すべて紹介会社手数料59.7万円(全国平均)×10人約597万円(老施協の水準89.6万円なら約896万円)
B:紹介会社3人+職員紹介等7人紹介会社59.7万円×3人+紹介手当10万円(仮定)×7人約249万円(Aより58%少ない)
C:紹介会社1人+無料経路・職員紹介9人紹介会社59.7万円×1人+紹介手当10万円(仮定)×5人+無料経路4人約110万円(Aより82%少ない)
A・B・Cは、公表された平均手数料額と、仮定を置いた紹介手当で当社が組んだ試算の型で、実績ではありません。紹介手当の水準に、介護・看護の公的な相場調査はありません(民間の解説は数万円〜数十万円とするものがあります)。手数料以外の費用(求人サイト掲載料、人件費、研修費)は含みません。紹介経由で入職した介護職員は、老施協の調査(2025年度)で50.2%が調査期間内に退職し、辞めた人の56.8%は6か月以内でした。同じ人数を採用しても、定着の差が実質のコストを大きく動かします。老施協の2023年度調査では、半年を超えて辞めた場合の返金が0%の施設が167/188施設、3か月超〜半年以内でも72/125施設でした。契約の前に、返戻金の条件(期間・率)を確認する必要があります。

紹介会社の選び方 ── 適正認定と、規制の変化

  • 適正認定事業者:厚生労働省委託の認定制度(運営は日本人材紹介事業協会)。認定事業者は、6か月以内の返戻金制度、職種別手数料実績の公表、お祝い金の禁止などが条件です。2026年10月7日時点の公開一覧は94件(62社)、うち介護分野30件(介護職の認定26件、看護職を含む認定17件)。認定は10月末と2月末に更新されます。
  • 満足度:認定事業者の求人者満足度調査(2025年度)で、推奨度(NPS)は全体−67、介護−71、近畿は全体−55、介護−68と、評価は厳しい結果です。「紹介料への納得感」は−0.19(2024年は−0.74)と、改善しています。
  • 人員基準の特例:2026年6月から、人員基準欠如の特例対応(3か月を超えない期間・年1回)の要件に、適正認定事業者の活用が入りました。
  • お祝い金:職業紹介は2025年1月から許可条件で、募集情報等提供事業は2025年4月から、求職者への金銭等の提供が原則禁止です。
  • 手数料率の開示:2025年4月から、紹介事業者は職種別の平均手数料率の実績を「人材サービス総合サイト」で公表する義務があります。契約前に、貴事業所が採用する職種の実績を確認できます。
  • 上限規制:日本医師会と四病院団体は2026年3月に、手数料率の上限規制などを要望しました。2026年6月に厚生労働大臣は「慎重な検討が必要」と答弁(報道)しており、制度化は決まっていません。
求人広告の市場では、全職種の求人広告の掲載件数が急増しています(全国求人情報協会、2026年8月、近畿48.4万件で前年同月比+21.5%)。一方、医療・福祉専門職は10.2万件(+1.5%)、医療・福祉サービス(介護サービス、看護助手)は5.0万件(+0.7%)とほぼ横ばいです。他の業種との人材獲得の競争が、強まっていることを示す動きです(掲載件数は求人数そのものではありません)。
CHAPTER 9

ターゲット別の採用戦略 ── 6つの層に、それぞれ別の入口と別の訴求を用意する

「介護・看護の経験者」だけを取り合うと、どの事業所も同じ層を狙うことになります。経験者以外の層を含めて、規模、訴求、具体策、留意点を層ごとに整理しました。

層規模・根拠刺さる訴求具体策留意点
① 未経験・異業種入職者の31.0%が直前は介護・医療・福祉以外。平均51.5歳。非介護の30〜65歳で転職を考える層の18.2%は「介護で働きたい/条件が合えば働いてもよい」「自分の都合に合わせた働き方」「休暇の取りやすさ」「残業の少なさ」(介護で働く人の実感は、イメージより+38〜+50ポイント良い)入門的研修(21時間)の共催、初任者研修の費用補助、職場体験、「無資格OK」の仕事の切り出し不安は「身体的負担」「人間関係」。受入れ側の指導が厳しいと早期離職(パワハラの訴えが辞めた理由の最多)
② シニア・介護助手福祉人材センターの介護助手は求人倍率0.57倍(求職者が多い)。60歳以上は介護労働者の21.3%、訪問介護員の26.6%。三重県の介護助手は65〜74歳が約7割「短時間」「週2〜3日」「2時間単位」「身体介護はしない」業務の棚卸し(配膳・清掃・ベッドメイキング・洗濯など)。名称を「介護助手」から「サポーター」に変え、登録者が19名→57名に増えた事例直接介護との線引きを明確に。人件費に見合う効果が感じられない(24%)との声もあるため、切り出す業務量を事前に測る
③ 外国人材関西の特定技能(介護)15,543人。受入れ事業所は全国18.6%。施設系(入所)は50.0%。訪問系は2025年4月に解禁キャリアパス(介護福祉士)、住まい、日本語学習の支援登録支援機関・監理団体の選定、住居・寮の確保、サポート役の配置。育成就労(2027年4月開始)への移行準備受入れの課題は、意思疎通(49.1%)、住宅(39.6%)、サポート役の負担(35.7%)。費用相場の公的資料なし。留学生の国家試験合格率は35.1%(2024年度)
④ 看護職看護職の求人倍率2.00倍、訪問看護ST4.54倍。個人の希望:日勤のみ33.3%、週休三日31.2%。訪問看護STで働きたい22.4%賃金、休みやすさ、人間関係(重視する順に53.6%、49.6%、48.5%)。夜勤・オンコールの負担軽減週休三日・日勤のみ・オンコールなしの枠の設定。教育体制の明示。「働く看護職から話が聞ける」機会の提供病院の導入率は週休三日0.9%、日勤のみ54.7%。訪問看護STでの導入率は未確認。オンコール手当の最新の公的調査なし
⑤ 学生・新卒介護福祉士養成施設の入学者の新卒者等は2,756人(2022年度の4,296人から減少)。学生の4〜5割は学校の先生の情報・紹介を参考に就職先を決める離職率の低さ、労働条件、キャリアアップ、職場の雰囲気(認証制度の教員調査で重視された項目)養成校・福祉系高校の教員への情報提供、実習の受入れ、修学資金の案内(月5万円・返済免除5年勤務)就職活動の時期や求人票の受付時期の公的資料は確認できず。看護の新卒訪問看護は、教育体制が壁(採用経験は大阪9.3%)
⑥ 元職員・潜在有資格者離職者に再雇用を打診した事業所の効果率は35.2%(実施率18.2%)。再雇用した事業所は約18%。潜在介護福祉士の届出は全国55,125人「戻りやすさ」「ブランク歓迎」「条件の変更に応じる」退職時の面談と届出(努力義務)の案内、年1回の連絡、再就職準備金(40万円以内・2年勤務で返済免除)元職員への紹介報酬は、職業安定法上の整理が別になるため注意(第11章)

看護職 ── 個人の希望と、病院の対応のずれが訴求の余地

働き方の希望と、病院の導入率 単位:%。看護職の個人調査(n=4,430、複数回答)と、病院調査(n=3,502)。日本看護協会(2025年)。
看護職が希望病院が導入
看護職の31.2%が週休三日制を希望していますが、病院の導入は0.9%です。日勤のみ(希望33.3%、病院54.7%)や夜勤の選択(希望27.8%、病院44.1%)は、病院のほうが導入が進んでいます。病院調査には訪問看護ST・介護施設は含まれないため、これらを導入していない訪問看護ST・施設は差別化の余地があり、導入しているところは強い訴求材料になります。
夜勤を担いやすくなる条件 単位:%。3つまで、n=4,430。
最も多いのは、納得感のある夜勤手当(41.4%)、夜勤明けの翌日が必ず休日(39.7%)、夜勤中の十分な休憩・仮眠(35.6%)です。訪問看護でオンコールを置く事業所は、この3点をそのまま「待機の条件」に読み替えて(手当、明けの休み、連続対応の上限)設計できます。24時間対応体制加算の負担軽減の要件にも対応します。

入口になる公的な支援制度(令和8年度)

府県確認できた支援(事業所向け・本人向け)
大阪「令和8年度 介護分野への就労・定着支援事業」(特養・老健・介護医療院・認知症GHなどを運営する法人が対象、2026年4月1日〜2027年3月31日)。12所のハローワークに人材確保対策コーナー
兵庫地方部(北播磨・西播磨・但馬・丹波・淡路)の初任者研修の開講支援(1課程あたり上限27.1万〜34.8万円など)、介護職再就職支援講習(参加費無料)、入門的研修(2025年度は11回、受講者370名)
京都府社協の貸付3種(介護人材再就職準備金、介護分野就職支援資金、実務者研修受講資金)。きょうと福祉人材育成認証制度(認証266法人、上位認証18法人)
滋賀介護職員研修受講支援事業費補助金(事業者向け、受講者1人あたり基準額10万円を上限)。新卒訪問看護師の育成支援(1年目の新卒1名あたり195.1万円を補助)
奈良奈良県福祉・介護事業所認証制度(115法人・631事業所)。初任者研修の受講料軽減の制度は、原典未確認
和歌山令和8年度 介護職員初任者研修受講支援事業補助金(介護未経験者が新たに就労する場合の受講者本人向け)。ハローワーク和歌山の人材確保対策コーナー
府県の補助金は、年度ごとの更新・先着・予算上限があり、対象が限定されます。最新の要件は、各府県・社会福祉協議会の公式の案内で確認してください。国の制度として、介護福祉士修学資金(月5万円以内・入学準備金20万円以内・就職準備金20万円以内、5年の介護業務で返済免除)、実務者研修受講資金(20万円以内、2年勤務で免除)、再就職準備金(40万円以内、2年勤務で免除)があります。雇用保険の教育訓練給付は、特定一般教育訓練の指定講座で受講料の最大50%(上限25万円)です。
CHAPTER 10

サービス種別・府県別の打ち手 ── 同じ「人手不足」でも、優先する施策は違う

第9章までの診断を、事業の種類(訪問・通所・入所・居住・看護)と、府県に落とし込みます。自社に近い行を見て、第7章の施策の優先順位を調整してください。

サービス種別 ── 状況と、優先する打ち手

種別状況(公的統計)優先する打ち手使える制度・加算
訪問介護訪問介護員の不足感86.0%(最高)。採用14.8%・離職11.9%。平均51.1歳、60歳以上26.6%、非常勤63.0%。大阪のHW求人倍率は14.92倍。全体の離職率は低め短時間・週2〜3日・直行直帰の枠。生活援助従事者研修・初任者研修の補助。シニアと異業種の主婦層。外国人材は2025年4月から訪問系が解禁(受入れ予定なしが47.2%)処遇改善加算(Ⅰイ27.0%、Ⅰロ28.7%)。ケアプランデータ連携システムで上乗せ区分の特例要件を満たせる。生産性向上推進体制加算は対象外
通所介護不足感68.7%(地域密着型は52.1%)。採用15.3%・離職13.1%。日勤中心で、夜勤がない日勤のみ・時短を前面に。介護助手・送迎・配膳の切り出し。主婦層・シニア加算Ⅰイ11.1%、Ⅰロ12.0%。生産性向上推進体制加算は対象外(訪問・通所系)
特養・老健(入所)不足感79.1%(特養)・80.8%(老健)。離職は特養12.4%・老健10.7%と小さい。「人数・質ともに確保できていない」42.0%。外国人の受入れが最も進む(入所系で50.0%)ICT・見守りで夜勤の負担を軽減(効果は施設で差)。外国人材と養成校・留学生の受入れ。修学資金の案内。特養の紹介手数料は1人91.7万円と高いため、職員紹介・再雇用を強化処遇改善加算(特養Ⅰイ16.3%、老健9.0%)。生産性向上推進体制加算(Ⅰ100単位/月)、介護テクノロジー導入支援事業(国の枠組みの補助率は1/2〜3/4、府県で異なる。大阪は4/5)
居住系(GH・特定施設・有料老人ホーム)不足感は介護職員で78.7%(GH)・75.9%(特定施設)。採用15.4〜16.5%・離職13.3〜14.1%と動きが大きい。居住系は離職率13.6%夜勤の選択制・手当の見直し。新規開設期(開設1〜3年)の定着設計。看取りの教育加算Ⅰイ(GH 21.0%、特定施設14.8%)。生産性向上推進体制加算の対象
小規模多機能・看多機介護職員の不足感72.9%、看多機は77.8%(回答36)。採用12.2%・離職11.9%多職種の働き方(看護・介護)、泊まり・通い・訪問の組み合わせでのシフトの柔軟化加算Ⅰイ(小多機17.1%、看多機16.8%)
訪問看護・施設の看護訪問看護STの求人倍率4.54倍、不足感62.1%、採用24.1%・離職15.1%。看護職の希望:日勤のみ33.3%、週休三日31.2%オンコール・夜間の負担軽減(手当・明け休み・連続対応の上限)。教育体制の明示。ナースセンター(無料)の常時運用。紹介会社は72.5万円のため限定的に訪問看護の処遇改善加算(介護1.8%)、ベースアップ評価料(医療)。24時間対応体制加算の負担軽減要件
居宅介護支援(ケアマネ)不足感37.0%、採用11.8%・離職11.1%。事業所数は全国で減少(−0.8%)サービス提供責任者・看護職からのキャリア転換。法定研修・実務研修の支援処遇改善加算の対象に新たに追加(2.1%、2026年6月)
系型別の指標(不足感・採用率・離職率)は、いずれも全国の事業所調査の値で、回答事業所数が少ない区分(定期巡回、看多機、地域密着型特定施設、介護医療院)は参考値です。

府県別 ── 市場の特徴と、まず着手する施策

採用活動の実施率(府県別):ハローワーク・福祉人材センターと、有料職業紹介 単位:%。2025年度、介護保険事業所。
ハローワーク・福祉人材センターに相談有料職業紹介所を活用
大阪は、無料のハローワーク・福祉人材センターの利用が55.0%と低く、有料職業紹介(42.9%)と求人サイト(41.3%)への依存が高い市場です。和歌山は有料職業紹介の利用が25.7%と低く、ハローワーク・福祉人材センターの利用が73.3%と高くなっています。京都は職員紹介71.3%、自社ホームページ50.8%、SNS24.9%と、取り組みの幅が最も広い府県です。
府県紹介手数料
(介護、全国平均59.7万円)
福祉人材センター
就職率(全国6.5%)
認証制度
滋賀非公表3.7%あり(一般3)
京都77.7万円11.6%あり(認証266法人)
大阪58.5万円2.9%なし
兵庫59.4万円5.3%なし
奈良70.1万円15.9%あり(115法人)
和歌山非公表7.6%なし
紹介手数料は『職業紹介事業報告』2024年度(紹介事業所の所在地別、事業所10未満の府県は非公表)。近畿ブロックは60.3万円。
府県市場の特徴まず着手する施策
大阪介護の求人倍率4.17倍、訪問介護員8.8万人。月給は関西最高(27.0万円)で、賃金の満足度D.I.も+1.3。採用率16.8%・離職率12.8%で、動きが大きい。ハローワークの利用は低く、有料紹介・求人サイトに寄る。福祉人材センターの就職率は2.9%。特定技能(介護)7,355人賃金優位を求人票で数字で見せ、有料紹介への依存を下げて職員紹介・再雇用・外国人材へ配分。ハローワークのアウトリーチ(12所の人材確保対策コーナー)を使う。認証制度がないため、自社の離職率・有給取得率など実績の数字で差別化
兵庫介護3.19倍だが、訪問介護員の不足感89.1%(前年84.1%から上昇)。離職率14.2%は関西最高。訪問看護の受給者に占める要支援の割合が高く(25.2%)、介護予防の訪問看護が多い。地方部(但馬・丹波・淡路など)は開設支援が手厚い離職の山を作らない(新人の1年・3か月面談、指導者の言動研修)。兵庫県の初任者研修の開講支援・再就職支援講習(無料)を採用ルートに。地方部は研修の共催
京都訪問介護員の不足感90.0%(関西最高)、看護58.1%。月給26.8万円。認証制度が最も普及し、福祉人材センターの就職率は11.6%(学生の求職者が43.5%)。紹介手数料は77.7万円と高い認証・福祉人材センター・学生向けの就職フェアを軸に、新卒・若手を狙う。紹介会社は手数料の高さから限定。訪問系は短時間の枠
滋賀介護職員の不足感82.3%(前年54.3%から急上昇)。月給24.1万円は関西最低で、前年より下がり、賃金満足度D.I.は−25.1。養成所の充足率68.8%(関西最低)。特定技能は2年で2.63倍。75歳以上は2050年まで増える賃金・手当の見直しが最優先(2026年6月の加算を原資に)。受講支援補助(上限10万円)で未経験者を採用。外国人材の受入れ準備
奈良介護の求人倍率4.52倍(関西最高)、必要職員数は2026年度に+15.2%。月給25.7万円。福祉人材センターの就職率は15.9%と高く、認証制度(115法人)もある。離職率13.8%。医療・福祉の外国人労働者が全産業の17.0%を占める福祉人材センターと認証制度を軸に、無料経路を最大化。外国人材の受入れ(支援体制づくり)。紹介会社は手数料70.1万円のため限定
和歌山求人倍率2.73倍(関西最低)、不足感58.3%。月給24.9万円、離職率10.8%で定着は良好。高齢化率34.2%、高齢の独居世帯16.4%で需要は大きい。有料紹介の利用は25.7%と少なく、ハローワーク等が73.3%。特定技能は2年で2.84倍採用の余地が残る市場。賃金面の競争力(全国より低い提示給与)を補う条件(休み・勤務日時)を訴求。ハローワーク・福祉人材センターの常時運用。初任者研修の受講支援補助を未経験者に案内
府県別の指標は、回答事業所数が小さい府県(滋賀・奈良・和歌山)で振れが大きく、順位の断定には使えません。地域の傾向をつかむ材料として、自社の実績と照らして使ってください。
CHAPTER 11

制度・規制の留意点 ── 求人表示、紹介手当、口コミ、認証制度。守る点と、使える制度

採用の施策は、求人の表示、紹介の報酬、口コミの扱い、紹介会社との契約に、守るべきルールがあります。一方で、府県の認証制度や補助、生産性向上の加算は、採用の武器になります。2026年10月時点で公的資料から確認できる範囲を整理しました。

守るルール

場面ルール実務上のポイント
求人票・採用ページの表示職業安定法第5条の4:虚偽の表示、誤解を生じさせる表示の禁止(2022年10月施行)。募集の終了・変更後は速やかに情報を更新。虚偽の広告・条件の提示は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第65条)固定残業代は、基本給と分けて、時間数と超過分の支給を明記(例:基本給25万円+固定残業代7万円)。賃金を実際より高く見せない。職種名を実際の業務と乖離させない
労働条件の明示2024年4月から、就業場所・業務の変更の範囲、有期契約の更新上限、無期転換の申込機会・無期転換後の労働条件が、明示事項に追加登録型・パートの多い訪問系は、更新上限と無期転換の記載漏れに注意。ハローワーク求人は、業務・就業場所の変更の範囲の明示が必要
SNSでの直接募集2024年12月の通知:氏名・名称、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金の6情報が必要InstagramやXの採用投稿に、6情報を載せる(プロフィールからの誘導でも可否は要確認)
職員紹介の手当職業安定法第39・40条:募集者が、被用者以外に報酬を与えることを制限在職の職員への紹介手当は、賃金規程に定めて賃金として支払う設計が一般的な前提。厚労省が適法と明示した文書は確認できません。退職者・外部の人への報酬は別の整理が必要。社労士・弁護士に確認を
紹介会社の契約職業紹介:お祝い金の禁止(2025年1月から許可条件)。2025年4月から、職種別の手数料率実績の公表義務、違約金の契約内容の事前明示契約前に、貴事業所の採用職種の手数料率実績と返戻金(期間・率)を、人材サービス総合サイトで確認。6か月以内の返戻金は適正認定事業者の必須条件
口コミ・SNS(利用者向け)景品表示法のステルスマーケティング規制(2023年10月施行):事業者の表示であると分かりにくい表示は不当表示Googleマップの口コミ投稿の謝礼や、職員・関係者による「一般人を装った」投稿は避ける。広告であれば「PR」と明示
広告全般訪問看護STの広告は、虚偽・誇大の禁止(運営基準)。医療法の広告規制は条文上は病院・診療所が対象「地域No.1」「24時間いつでも」などは根拠を持つ。詳しくは訪問看護レポートの第10章
条文・通知は公的な原典で確認していますが、個別の事案の適法性は、社会保険労務士・弁護士・所轄の労働局に確認してください。紹介手当の整理の一部は当社の解釈です。

使える制度 ── 認証制度と生産性向上

府県介護事業者の認証評価制度認証数(2026年4月)
京都きょうと福祉人材育成認証制度(2013年全国初)。宣言→認証→上位認証の3段階上位認証18法人、認証266法人、宣言689〜691法人
奈良奈良県福祉・介護事業所認証制度(2016年開始)115法人・631事業所
滋賀しが働きやすい介護の職場認証制度(一般・シルバー・ゴールド)ゴールド0、シルバー1、一般3
大阪・兵庫・和歌山未実施―
京都では、学生向けの就職フェアに認証法人のコーナーを設け、福祉系大学の学生には浸透しているとの報告(2020年の厚労省補助の調査)です。一方で「認証が300近くに増え、認証だけでは差別化しにくい」との声もあります。認証・非認証の離職率差の具体値は、確認できませんでした。

生産性向上の加算・補助

  • 生産性向上推進体制加算:(Ⅰ)月100単位、(Ⅱ)月10単位。対象は短期入所・居住系・多機能系・施設系で、訪問・通所系は対象外。
  • 介護テクノロジー導入支援事業:国の枠組みの補助率は1/2(要件を満たすと3/4)で、府県ごとに異なります(大阪府は令和8年度に4/5)。関西6府県すべてに、導入の公的な相談窓口があります。
  • 効果の実証:夜間見守り機器の実証(28施設)で、夜勤1人1日あたりの直接介護+巡回・移動の時間は平均12.4分(5%)減。特養では30.5分(10%)減、老健は3.3分(1%)減、介護医療院は4.9分増と、施設の種類で差があります。
  • 採用への波及:鹿児島の特養の事例で、間接業務の割合が33.2%→23.9%、離職率が16%→8%、「テクノロジー導入が話題になり新卒・応募者が増加」(表彰事例の自己申告)。
表彰事例の読み方:厚生労働省『介護職員の働きやすい職場環境づくり』の取組事例集には、神戸市の特養(離職率16%→3%、有給取得61%→86%)、大阪市の特養(離職率28〜34%→3〜4%)などがあります。表彰された事業所の自己申告で、複合施策の結果です。どの施策が効いたかは分離できず、同じ条件で再現される保証もありません(生き残りバイアスがあります)。
CHAPTER 12

実行計画とKPI ── 90日で着手する内容と、測る数字

戦略を動かすための、90日の進め方、見る指標、制度のカレンダーです。公的統計の数値は、自社の数字と比べるための「物差し」として使います。

90日の進め方

期間やること成果物
0〜30日
現状を数える
過去2年の入職者・退職者の名簿を作り、経路(紹介・HW・求人サイト・紹介会社・その他)、入職日、退職日、退職理由、紹介手数料を一覧にする。求人票・採用ページ・Googleの口コミ・SNSを、求職者の目で確認する。賃金表を、府県の平均月収・求人広告の提示賃金と比べる経路別の採用数・1年以内離職率・採用単価の表。求人票の課題リスト
31〜60日
すぐ効く手を打つ
求人票の全面改訂(月給・手当・休日・残業・研修を数字で。固定残業代の分解)。ハローワークの求人票とアウトリーチの活用。福祉人材センター・ナースセンターへの登録。職員紹介制度の規程化。退職者への連絡(再雇用の打診)。紹介会社との契約条件(返戻金・手数料率)の確認新しい求人票、職員紹介規程、紹介会社の契約比較表
61〜90日
条件と入口を整える
2026年6月の加算を原資にした賃金・手当の設計と周知。勤務日時の選択制・短時間枠・オンコール軽減の枠の設計。介護助手(サポーター)の業務の切り出し。初任者研修・入門的研修の補助の確認。入職後3か月・6か月・1年の面談の設計。指導者向けの研修賃金・勤務の見直し案、助手の業務一覧、定着面談の運用表
6か月以降
広げて、仕組みにする
外国人材の受入れ準備(住居・サポート役・登録支援機関)。養成校・福祉系高校との関係づくり。口コミ・SNS・採用サイトの整備。ICT・見守り機器の導入(補助金)。KPIの月次レビュー採用サイト、受入れ体制、月次の採用ダッシュボード

測る数字(KPI)と、公的な物差し

指標測り方公的な物差し(全国・2025年度)
採用率・離職率前年10月の在籍者に対する、1年間の採用者数・離職者数の割合2職種計:採用14.6%、離職12.4%(29歳以下の離職17.3%)。看護職員:採用20.8%、離職14.6%。訪問看護:24.1%、15.1%
経路別の採用数紹介・HW・福祉人材センター・求人サイト・紹介会社・自社サイト・その他就職経路:友人・知人33.8%、HW19.4%、求人サイト9.6%(勤続1年未満は21.3%)、民間紹介3.9%
採用後1年以内の離職率経路別に、採用者のうち1年以内に辞めた人の割合全体:訪問介護員18.4%、介護職員19.6%。職員紹介11.2〜12.8%、有料紹介25.7〜29.1%(2023年度調査)
採用単価採用費の合計(手数料・掲載料・紹介手当・研修費)÷採用人数紹介手数料:介護59.7万円、看護72.5万円(老施協の会員施設では介護福祉士89.6万円)。率は20.2%、21.6%
紹介会社の6か月以内離職紹介就職者のうち、6か月以内に辞めた人の割合介護19.9%、看護12.9%(2023年度実績)
賃金の位置自社の月給(同じ職種・同じ経験年数)と、府県の平均・求人広告の提示賃金の差月給の人の平均月収:全国25.5万円、大阪27.0万円、滋賀24.1万円。求人広告の提示:介護サービスの正社員26.5万円
職員満足賃金・人間関係・人員配置の満足度(満足−不満)賃金−12.3、人間関係+38.2、人員配置−18.5(D.I.)
応募から入職までの歩留まり応募数→面接→内定→入職の各段階の割合公的な物差しなし(自社の数字を蓄積する)
採用費を「1人あたり」で見る:採用費の合計を採用人数で割るだけでなく、採用後1年以内に辞めた人の分を差し引いた「定着した1人あたりの費用」を並べると、経路ごとの本当の費用が見えます。たとえば、同じ59.7万円の紹介でも、1年以内に辞める割合が11.2%の経路と29.1%の経路では、定着した1人あたりの費用は約67万円と約84万円で、約25%違います(当社計算、訪問介護員の値)。

制度のカレンダー(確認できた日付)

時期内容
2026年6月〜処遇改善加算の拡充(介護従事者に拡大、上乗せ区分「ロ」)、訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援に新設。診療報酬改定の施行(訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)1,050円/1,830円)
2026年10月末適正認定事業者(人材紹介)の公表(年2回、10月末・2月末)。令和8年度の申請受付は11月末まで
2027年3月末令和8年度の特例要件を満たす事業所が、キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳ・職場環境等要件の対応を誓約した場合の、対応期限
2027年4月1日育成就労制度の運用開始(技能実習制度の発展的解消)
2027年6月〜訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)が2,100円(新規)・2,880円(継続)へ。令和9年度介護報酬改定の内容は、2026年10月時点で未定
2027年7月31日処遇改善加算の令和8年度の実績報告書の提出期限(通常の場合)

ご提案:貴社のデータをお預かりできれば、貴社専用の採用戦略にできます

本資料は公的統計と業界調査に基づく関西全体の汎用版です。以下の情報をお預かりできれば、貴社の事業・地域・現在の採用の状況に合わせて、優先する施策、チャネルの配分、求人票・採用サイトの改善案、採用費の試算をご提案します。

入職者・退職者の名簿(過去2〜3年)

職種・入職日・退職日・経路・退職理由。経路別の1年以内離職率と採用単価を出し、チャネルの配分を見直します。

採用費の内訳

紹介会社の手数料・返戻金の条件、求人媒体の掲載費、職員紹介の手当、研修費。定着した1人あたりの採用費を経路ごとに試算します。

賃金表と手当、勤務の仕組み

職種別の月給・手当・賞与、勤務パターン、オンコール・夜勤の条件。府県の賃金の物差しと比べ、2026年6月の加算の使い方を設計します。

現在の求人票・採用サイト・口コミ

掲載中の求人票、サイトのアクセス・応募、Googleの口コミ。求職者が最初に見る情報を、職業安定法の表示ルールに沿って整えます。

事業所・サービスの構成と地域

サービス種別、事業所の所在地、開設年、職員の年齢構成。地域の求人倍率とサービス別の不足感に照らし、重点の施策を決めます。

職員へのヒアリング・アンケート

入職の決め手、辞めたいと思う理由、紹介してもよい条件。自社の「選ばれる理由」を言葉にし、求人と紹介制度に反映します。

進め方:データはExcel・CSV・管理画面のエクスポートのままで結構です。お預かりから約2週間で、経路別の採用実績の分析、チャネルの配分案、求人票・採用サイトの改善案、90日の実行計画、年間の採用カレンダー(制度・補助金の期限を含む)をまとめてご報告します。

SOURCES

出典

  1. 介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」事業所調査・労働者調査 結果報告書、結果の概要(2026年7月公表)、令和6年度・令和5年度(採用経路別の1年以内離職)・令和4年度(勤続別の離職)の各報告書、令和7年度特別調査「労働者の意識に関する介護事業と他産業との比較調査」。
  2. 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年6月分〜8月分、「職業安定業務統計」、社会保障審議会 介護給付費分科会 第263回(2026年8月28日)資料1「介護人材確保に向けた処遇改善等」、福祉人材確保専門委員会 第1回(2025年5月9日)・第3回(8月29日)資料、各労働局の月報・求人求職バランスシート(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)、ハローワーク大阪梅田「労働市場情報」。
  3. 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月)、「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査」(2025年12月公表、e-Stat)、「令和5年雇用動向調査」「令和7年賃金構造基本統計調査」「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」。
  4. 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定(臨時)の概要」、老健局長通知「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(老発0313第6号、2026年3月13日)、「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」(老発1225第3号)、「介護職員の働きやすい職場環境づくり 取組事例集」(令和6年度・令和7年度)、「介護テクノロジー導入支援事業」、「生産性向上推進体制加算について」、「介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業 報告書」(2024年3月)。
  5. 厚生労働省「職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」令和6年度、「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」(2025年)、「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」(日本人材紹介事業協会、2026年10月7日の公開一覧)、職業安定法、同施行規則の改正(2025年4月施行)、「就職お祝い金」等の禁止に関するリーフレット、「労働者の募集ルールが変わります」、「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」、「募集・求人業務取扱要領」(2025年6月)。
  6. 全国老人福祉施設協議会「職業紹介における手数料調査」(令和5年度・令和7年度)、福祉医療機構(特養・病院の経営調査)、日本医師会・四病院団体協議会「有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書」(2026年3月18日)、全国求人情報協会「求人広告掲載件数等集計結果(2026年8月分)」「求人広告平均賃金集計結果(2026年4〜6月分)」、リクルート系「アルバイト・パート募集時平均時給調査」(2026年2月)。
  7. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」(2023年6月末〜2026年6月末)、「在留外国人統計」(2024年12月末・2025年12月末)、「育成就労制度の概要」(2026年7月改訂)、厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」(令和7年10月末)。
  8. 日本介護福祉士養成施設協会「令和8年度介護福祉士養成施設の入学定員充足状況等に関する調査の結果」(2026年9月29日)、厚生労働省「第37回・第38回介護福祉士国家試験の合格発表」、全国社会福祉協議会 中央福祉人材センター「令和7年度 福祉分野の求人求職動向」、厚生労働省「都道府県別福祉人材センター・バンク職業紹介状況(2025年4〜12月)」、「介護に関する入門的研修」、「介護福祉士修学資金等貸付制度」。
  9. 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」「2025年 病院看護実態調査」(調査研究報告No.103・No.102)、同「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」(2024年度)、全国訪問看護事業協会「訪問看護の持続可能なサービス提供の在り方と役割に関する調査研究事業報告書」(2025年3月)。
  10. 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2026年1月1日)、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」。
  11. 三重県「介護助手導入実施マニュアル」(2019年3月)、全国老人保健施設協会「令和2年度老人保健健康増進等事業 報告書」、日本総合研究所「介護事業所の認証評価制度の普及に関する調査研究事業」(2020年)、滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県の介護人材確保・認証評価・研修受講支援・介護テクノロジー導入支援の各事業の公式案内(令和8年度)。
  12. ワークポート「転職活動におけるSNS・口コミの影響に関する調査」(2026年6月)、マイナビ「転職者のSNS発信と企業対応に関する実態調査」(2025年5月)、消費者庁「ステルスマーケティング」(告示・運用基準)、e-Gov法令検索(職業安定法)。
注意事項:効果の数値(「採用に効果があった」「定着に効果があった」)は、事業所の自己評価で、因果の実証ではありません。表彰事例の離職率の改善は、表彰された事業所の自己申告で、複合施策の結果です。府県別の採用率・離職率・不足感は、回答事業所数が小さい府県(滋賀・奈良・和歌山)で振れが大きく、順位の断定には使えません。介護労働実態調査の就職経路などは、グラフの数値ラベルから読み取った値を含みます。採用経路別の採用後1年以内離職は2023年度調査のみの設問です。福祉人材センターの倍率・就職率は、センターに登録された求人・求職者についての値で、労働市場全体の需給とは別です。
紹介手数料の水準は、調査によって対象と定義が異なります(職業紹介事業報告の平均額、老施協の会員施設の調査、福祉医療機構の特養の調査)。職員紹介の手当の相場に、公的な調査はなく、紹介手当の適法性の整理の一部は当社の解釈です。外国人材の受入れ費用の相場、応募単価・採用単価、求人票の記載項目別の応募への効果、早期離職の損失の公的な試算は、公的資料で確認できませんでした。採用コストの試算(第8章)は、公表された平均手数料額と、仮定を置いた紹介手当で組んだ試算の型で、実績ではありません。訪問看護の関連数値は、『訪問看護業界マーケティング資料〈関西2府4県〉』(2026年10月)によります。需給推計・必要数との差、各種の割合の計算は当社によります。