株式会社Shido 調査レポート

リフォーム業界向けマーケティング資料〈関西2府4県〉

作成 2026年9月対象 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山(近畿2府4県)主な根拠 矢野経済研究所(2026年6月)/国土交通省/総務省 住宅・土地統計調査(2023年)/住宅リフォーム推進協議会(2026年2月)/近畿レインズ/東京カンテイ

住宅リフォーム市場は全国で7.5兆円(2025年)に達し、新築着工が3年連続で減るなかで数少ない「伸びている住宅市場」です。関西は約1,090万戸の住宅ストックを抱え、大阪府では住宅の5戸に1戸が築40年を超えました。2026年は窓・給湯・断熱の国補助が最大100万円、大阪市の耐震補助が2000年以前の木造まで拡大するなど、需要を後押しする材料が揃っています。本資料は、公的統計と業界調査から関西のリフォーム市場の規模・顧客像・競合・エリア特性を整理し、「誰に・何を・どこで」伝えるべきかをまとめたものです。

7.5兆円
2025年 全国の住宅リフォーム市場(矢野経済研究所)。2026年は7.7兆円(+1.9%)予測
約1.25兆円
関西2府4県の市場規模(Shido推計:持ち家戸数16.7%で比例配分)
1,090万戸
関西の総住宅数(2023年)。全国の16.8%。うち空き家155万戸
21.1%
大阪府の住宅のうち築40年以上(1980年以前)の割合。88.6万戸
405万円
リフォーム実施者が実際にかけた費用の平均(検討時予算は310万円)
+21%
2025年 近畿圏の中古マンション成約件数(20,739件)。中古戸建も+22%。「買ってリノベ」の母数が拡大
CHAPTER 1

市場の全体像 ── 新築が減り、リフォームが伸びる

全国の市場規模と伸び方を先に押さえ、そこから関西の取り分を推計します。

住宅リフォーム市場規模(全国・矢野経済研究所) 単位:兆円。2026年は予測。
2025年は前年比+2.5%。増改築工事(10㎡超)は−22.1%と落ちる一方、設備修繕・維持関連が+4.7%と市場を牽引。「大きく建て増す」から「傷んだ設備を直す・性能を上げる」へ需要の重心が移っています。
民間建築補修(改装・改修)投資の推移 建設経済研究所「建設投資の見通し」2026年7月。単位:兆円、2026・2027年度は予測。
住宅・非住宅を合わせた建築補修投資は2019年度の6.5兆円から2025年度14.7兆円へ2.3倍。2026年度は15.4兆円(+4.8%)、2027年度は16.0兆円と過去最高の更新が続く見通しです。

3つの統計が同じ方向を指している

7兆5,119億円
2025年 住宅リフォーム市場(居住者負担分。賃貸・マンション大規模修繕は含まない)
矢野経済研究所 2026年6月
4兆9,033億円
2025年度 住宅のリフォーム・リニューアル受注高。前年度比+18.7%
国土交通省 建築物リフォーム・リニューアル調査
15.4兆円
2026年度 民間建築補修投資(+4.8%)。2027年度は16.0兆円
建設経済研究所 2026年7月
−6.5%
2025年 全国の新設住宅着工(74万667戸)。3年連続減。近畿圏は−1.6%と減少幅は最小
国土交通省 建築着工統計

関西の市場規模はおよそ1.25兆円

リフォーム市場の地域別公表値は存在しません。そこで矢野経済研究所の全国値7兆5,119億円を、住宅・土地統計調査の持ち家戸数(関西2府4県564.1万戸=全国3,387.6万戸の16.65%)で比例配分すると約1兆2,500億円になります。人口シェア(16.3%)で配分しても1.22兆円で、大きくは変わりません。

推計の前提:持ち家1戸あたりのリフォーム支出が全国平均と同じと仮定した概算です。大阪府は共同住宅比率が高く(57.4%)持ち家率が低い(54.5%)ため、戸建中心の地域に比べて1件あたりの単価は小さく、件数は多い構成になります。
CHAPTER 2

関西の住宅ストック ── 1,090万戸の「築年」と「住み手」を読む

リフォーム需要の母数は住宅ストックです。府県ごとの量と、大阪府の詳細から需要の質を見ます。

府県人口 2025年
(万人)
2020→25
増減率
65歳以上
割合
世帯数 2025年
(万世帯)
総住宅数
(万戸)
空き家率持ち家率一戸建
割合
共同住宅
割合
分譲マンション
ストック(戸)
うち築40年超
滋賀県139.2−1.5%27.2%59.166.412.3%70.9%66.1%31.5%48,2417.2%
京都府250.3−2.9%29.8%122.0137.213.1%60.7%53.7%44.2%155,91024.7%
大阪府876.5−0.8%27.6%430.8492.914.2%54.5%39.8%57.4%896,06927.1%
兵庫県532.4−2.6%30.2%246.2279.813.8%64.4%49.6%47.7%493,83724.7%
奈良県126.9−4.2%32.9%54.564.014.6%73.2%67.5%30.5%57,34821.9%
和歌山県86.4−6.3%34.4%38.949.621.2%73.8%74.5%22.3%18,31924.9%
関西計2,011.7−2.1%951.51,089.914.2%60.7%48.8%48.5%1,669,72425.4%
全国12,305−2.5%29.3%6,504.713.8%60.9%52.7%44.9%

人口・世帯:令和7年国勢調査 人口速報集計(2025年10月1日)。65歳以上割合:人口推計(2024年10月1日)。住宅:令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日、空き家率は総住宅数ベース、持ち家率・建て方は居住世帯のある住宅ベース)。マンション:東京カンテイ(2025年末)。関西計の増減率・割合は加重値。

総住宅数と空き家数(2023年) 単位:万戸。濃い青が居住世帯のある住宅、薄い青が空き家等。
大阪府と兵庫県で関西の住宅の71%を占めます。空き家155万戸のうち約6割は賃貸・売却用などで、長期不在や取り壊し予定の「その他空き家」は64.4万戸(大阪22.7万戸、兵庫17.3万戸)。
65歳以上人口の割合(2024年10月)
大阪・滋賀は全国平均を下回りますが、大阪府では高齢者のいる世帯が全世帯の40.6%(170万世帯)、うち高齢単身が67.6万世帯。持ち家に住む高齢者世帯は120万世帯に達します。

大阪府の住宅は「1981〜2000年築」が34%、築40年以上が21%

大阪府 居住世帯のある住宅の建築時期(2023年) 総数419.7万戸に対する割合。
1980年以前(旧耐震)が88.6万戸・21.1%。1981〜1990年が16.3%、1991〜2000年が17.6%で、2000年以前築(築25年以上)が55%。水回りの総入れ替え・外装・断熱の適齢期にある住宅が過半を占めます。
19.8%
大阪府で二重サッシ・複層ガラスの窓がある住宅の割合(全国31.9%)。持ち家でも28.9%(全国42.7%)
住宅・土地統計調査 2023
1.7%
2019年以降に耐震改修工事を行った持ち家の割合(大阪府)。耐震診断を受けたのは12.0%
同上
11.6%
2019年以降に高齢者向け設備工事(手すり7.2%・浴室5.0%・トイレ4.8%)を行った持ち家の割合(大阪府)
同上
45万戸
大阪府で耐震性が不足する住宅(2020年)。耐震化率は約89%、木造戸建は約80%。府の目標は2025年95%
住宅建築物耐震10ヵ年戦略・大阪 中間検証
読み方:大阪府の窓断熱の普及率は全国より12ポイント低く、「先進的窓リノベ2026」(上限100万円)の対象になる住宅が全国平均より厚い地域です。耐震改修の実施率が1.7%に留まる一方、1980年以前築の一戸建は約43万戸残っており、耐震と断熱は補助金を軸にした提案余地が最も大きい分野です。

分譲マンションは167万戸、4戸に1戸が築40年超

分譲マンションストック(2025年末・東京カンテイ) 単位:戸。濃い部分が築40年超。
大阪府のマンション化率(世帯数に対する分譲マンション戸数)は20.58%で東京・神奈川に続く全国3位。築40年超は大阪24.3万戸、兵庫12.2万戸。
  • 専有部リフォームの母数が大きい。関西のマンションストック167万戸のうち築40年超が42.4万戸(25.4%)。給排水管更新・浴室ユニット交換・間取り変更が集中する築30〜45年層が最大のボリュームです。
  • 中古マンションの成約築年数は約29年。近畿レインズの2025年12月の成約物件は平均築29.0年、中古戸建は築30.0年。購入直後にリフォームが発生する「中古+リノベ」需要は、築30年前後の物件を中心に生まれています。
  • 高層化した大阪の共同住宅。大阪府の共同住宅240.8万戸のうち6階建以上が58.9%。エレベーター付き住宅に住む高齢者世帯が多い一方、旧耐震の共同住宅も40.9万戸残っています。
CHAPTER 3

需要を動かす5つの要因と、3つの逆風

2026〜2027年の関西リフォーム市場を押し上げる要因と、供給側を縛る制約を整理します。

押し上げ要因

① 新築の減少とストックの高齢化

2025年の新設住宅着工は全国−6.5%と3年連続で減少。住まいを「建て替える」代わりに「直して住み続ける」選択が増えています。大阪府では住宅の55%が築25年以上(2000年以前築)で、修繕サイクルの山が来ています。

② 2026年の国補助が最大100万円

住宅省エネ2026キャンペーン(先進的窓リノベ・給湯省エネ・みらいエコ住宅)は窓・ドアの断熱改修に上限100万円、内窓は1箇所2.2〜15.2万円、エコキュートは1台7万円+加算。申請は2026年3月31日〜12月31日(予算上限で終了)、2025年11月28日以降着手の工事が対象。大阪市は国の交付決定者に上乗せ補助を実施。

③ 耐震補助の拡大(大阪市は2000年5月以前まで)

南海トラフ地震の30年発生確率が「70〜80%」に引き上げられ、大阪府内の市町村は木造住宅の耐震診断・改修・除却補助を継続。大阪市は2026年度から対象を「2000年5月31日以前に建築確認を受けた木造住宅」に拡大し、改修工事は費用の1/2・戸建上限115万円。旧耐震だけでなく1981〜2000年築の木造戸建が新たな市場になります。

④ 高齢化とバリアフリー

関西の65歳以上人口は約590万人。大阪府では75歳以上のいる世帯の21.6%が高齢者向け設備工事を実施済みで、年齢が上がるほど実施率が高まります。介護保険の住宅改修費(上限20万円・自己負担1〜3割)は手すり・段差解消・浴室改修の入口になり、その後の水回り全体の受注につながります。

⑤ 中古住宅流通の活況

2025年の近畿圏の中古マンション成約は20,739件(前年比約+21%)、中古戸建は14,445件(約+22%)で、いずれも月次で1年以上連続増。中古取得後のリフォーム促進税制の適用率は中古戸建取得世帯で14.7%(国土交通省)に留まり、購入直後の層に対する提案は伸びしろがあります。

逆風・制約

2025年4月
建築基準法改正(4号特例の縮小)。木造2階建て住宅は「新2号建築物」となり、主要構造部の過半に及ぶ大規模修繕・模様替え(屋根の葺き替え、外壁の全面改修、間取り変更など)に確認申請が必要。工期と費用が増え、設計士を持たない小規模事業者は受注できる工事の範囲が狭まります。
296万人
建設技能者の減少。建設業就業者は2006年559万人→2025年478万人、技能者は386万人→296万人。55歳以上が約37%、29歳以下が12%。関西でも職人確保が受注上限を決める状況で、「工事を待たせない体制」自体が差別化要素になります。
二極化
資材高と単価上昇。矢野経済研究所は2026年の市場拡大の理由を「建築資材費・人件費の上昇による工事単価の上昇」とし、中東情勢による資材供給の遅延・価格上昇を懸念事項に挙げています。企業体力の差で二極化が加速し、業界再編が進む見通しです。消費者側では「予算310万円→実費405万円」の乖離が既に常態化しています。
マーケティング上の含意:単価が上がる局面では「安さ」の訴求は続きません。補助金で実質負担を下げる提案、確認申請まで一括で引き受ける体制、着工までの待ち時間の明示が、価格以外の選ばれる理由になります。
CHAPTER 4

顧客像と行動 ── 誰が、なぜ、いくらで、どこで探すか

住宅リフォーム推進協議会「2025年度 消費者実態調査」(実施者1,175人・検討者1,167人、2025年7月、全国)と国土交通省「住宅市場動向調査」から。関西は同調査の「都市部」区分に含まれます。

リフォームのきっかけ(実施者・複数回答)
「傷んだから直す」が56.2%で圧倒的。築50年以上では82.1%に達します。築10年未満では「生活様式・居住人数の変化」(29.5%)や「妊娠・出産」(14.1%)が上位で、若い層ほど暮らしの変化が動機になります。
リフォームした箇所(実施者・複数回答)
トイレ・浴室・キッチンの水回り3点が上位。トイレ(+15.8pt)・外壁(+9.4pt)・屋根(+6.8pt)は検討段階より実施段階で割合が高く、現地調査で追加提案が通りやすい部位です。

費用:予算310万円、実費405万円

405万円
実施者が実際にかけた費用の平均(自己資金+借入+補助金)。検討時予算は310万円
リ推協 2025年度 実施者調査
470万円
一戸建ての実費平均(予算349万円)。マンションは317万円(予算258万円)
同上
53.8%
検討者のうち「補助制度を利用したい」割合。減税制度は36.0%。20〜40代ほど関心が高い
リ推協 2025年度 検討者調査
170万円
三大都市圏のリフォーム資金平均(国土交通省 住宅市場動向調査、令和6年度実施分)。少額工事を含む全世帯ベース
国土交通省 2026年

予算超過の理由は「浴室・洗面所」「トイレ」「キッチン」の水回りで最も多く、グレードアップや想定外工事が原因です。見積段階で「補助金を使うと実質いくらか」を示すことが、予算と実費の差を埋める説明になります。

情報源:60代以上は「いつもの業者」、40代以下は「ネット」と「テレビ」

テレビインターネット計(ポータル・HP・SNS・動画)チラシ・広告誌いつも工事を依頼している業者
リフォーム業者・設計士についての情報源(実施者・世帯主年代別・複数回答)。全体ではインターネット計29.0%、いつもの業者25.1%、チラシ15.1%、テレビ14.9%、友人・知人13.8%、ショールーム13.5%。国土交通省の住宅市場動向調査でも、リフォーム実施世帯の施工者の探し方は「以前からつきあいのあった業者」が最多で、「インターネット等の活用経験はない」が最多回答です。
全国規模のハウスメーカー全国規模のリフォーム専業地元密着の工務店地元密着のリフォーム専業その他・不明
契約した事業者のタイプ(実施者)。50代以上の67.0%が地域密着の工務店・専業店を選び、20〜40代の58.8%は全国規模のハウスメーカー・専業店を選択。マンションでは地元リフォーム専業(32.2%)が最多です。

事業者を選ぶときに重視した点(実施者・上位3項目)

  • 1位 担当者の対応・人柄 過去調査から一貫して最上位。
  • 2位 工事の質・技術
  • 3位 工事価格の透明さ・明朗さ 「安さ」ではなく「明朗さ」。
関西の事業者側の実態(リ推協 2025年度 事業者調査、全国1,343社):回答事業者の48.9%が工務店、18.8%がリフォーム専業、62.7%が従業員5名以下。保証書の発行率は35.1%(リフォーム専業は62.0%)、省エネリフォーム減税の認知は86.4%。小規模事業者が多数を占める市場で、保証書・担当者の顔・見積の内訳を見せることが、そのまま上位3つの選定基準への回答になります。
CHAPTER 5

競合の構造 ── 大阪発の2強、家電量販、地域密着の中堅

リフォーム産業新聞「住宅リフォーム売上高ランキング2025」(2025年9月29日号)と各社公表値。単位:億円。

主要企業のリフォーム売上高。濃い青は関西(大阪府)本社。積水ハウスグループ(11年連続1位)と大和ハウスグループの2強はいずれも大阪市本社で、全国のリフォーム市場をリードしています。関西の中堅は、アートリフォーム(吹田市、2025年7月期101億円・+14%、25店舗)、ナサホーム(大阪市、2025年3月期約99億円・+9%、34拠点)、山商リフォームサービス(40億円超、中古仲介にも参入)が代表格。外装専門ではオンテックス(大阪市、220億円・+15%)が専門工事店の全国1位です。

関西の競合は4層構造

  • ハウスメーカー系(積水ハウス・大和ハウス・パナソニック・積水化学)。自社OB顧客の定期点検から受注。20〜40代の29.2%が「全国規模のハウスメーカー」と契約しており、若い層のブランド指名を取っています。
  • 家電量販・ホームセンター(エディオン668億円・ヤマダ920億円、コーナン等)。店頭で給湯器・エアコン・水回り設備の入替を受注。エディオンは大阪市本社で関西の店舗網が厚く、「設備の修繕」動機(56.2%)の入口を店頭で押さえています。
  • 地域密着の総合リフォーム中堅(アートリフォーム・ナサホーム・山商・イズホーム・生活堂等)。ショールーム+ポータルサイト+チラシで水回りから全面改装まで。ホームプロの大阪府ランキングでは見積依頼数1位がアートリフォーム、アクセス数1位がイズホームです。
  • 専門工事店・工務店(外壁塗装のオンテックス、無数の地場工務店)。関西2府4県の建設業許可業者は88,448社で全国の18.3%。大阪府だけで41,645社(全国2位)。「いつもの業者」の座を占めているのはこの層です。
建設業許可業者数(2025年3月末) 単位:社。
国土交通省「建設業許可業者数調査」。全国483,700社。リフォームを扱う事業者の総数はこれより多く(500万円未満の工事は許可不要)、市場は極めて分散しています。
ポータルサイトの競争環境:SUUMOリフォームの関西版ランキングは178社、ホームプロの大阪府対応は139社が掲載。ホームプロ大阪府の「価格の納得感」上位は日本総合ホームセンター(箕面市)、朝日住器(川西市)、RIDE(寝屋川市)など郊外の中小が並び、大手だけの市場ではありません。
CHAPTER 6

関西のエリア特性 ── 資産価値の高低で「売れるリフォーム」が変わる

近畿レインズ「マンスリーレポート 2025年12月度」のエリア別成約データから、地域ごとの住宅価格帯と築年を読みます。

エリア中古マンション
成約㎡単価(万円)
同 前年比中古戸建
成約価格(万円)
同 前年比中古戸建
平均築年数
性格
大阪市72.58+4.2%3,558+2.9%26.0年単価最高。㎡単価は30ヶ月連続上昇。タワー・都心型。資産価値維持型のリノベ
大阪府北部(北摂)47.20+4.6%3,686+5.8%24.0年戸建価格は関西最高。千里NT(1962年入居開始)を含む成熟住宅地。高単価の全面改装・断熱
大阪府東部(北・中河内)32.43+1.3%2,111−6.1%29.0年中価格帯。戸建成約2ケタ増。水回り・外装の実需型
大阪府南部(堺・泉州・南河内)25.98+3.7%1,803−3.3%30.7年戸建成約件数は関西最多(12月172件)。泉北NT(1967年入居開始)。低価格・築古で修繕需要が厚い
神戸市40.69+1.2%2,680+22.4%31.1年マンション成約+59%。坂・階段の多い住宅地で高齢者の住み替え・改修が混在
阪神間40.21+10.7%3,363+4.9%24.4年単価2ケタ上昇。所得水準が高くデザイン性・高付加価値リフォームが通る
兵庫県他24.10+17.6%1,353−12.4%32.0年播磨・但馬・淡路。空き家率は淡路23.8%、但馬21.2%。空き家活用・実家の改修
京都市57.59−3.0%3,460+28.8%35.0年築年最古。町家・旧耐震木造。景観規制下の外装・耐震・断熱
京都府他24.57−16.9%2,116+6.8%28.0年南部(宇治・城陽・京田辺等)の戸建中心
滋賀県31.93−14.7%1,867−1.0%28.0年持ち家率70.9%・戸建66.1%。マンション築40年超は7.2%と若い。戸建の修繕・省エネ
奈良県24.45+7.4%1,472−14.3%33.1年高齢化率32.9%・持ち家率73.2%。1970年代開発の郊外住宅地。バリアフリー・耐震
和歌山県12.34−45.2%991+18.8%33.1年空き家率21.2%・高齢化率34.4%。低価格帯。補助金依存度が高い

近畿レインズ 2025年12月の成約データ(単月)。件数の少ない地域の前年比は変動が大きいため、価格帯と築年数の水準を読む目的で掲載。エリア区分:大阪府北部=池田・箕面・豊中・吹田・摂津・茨木・高槻・三島郡・豊能郡、東部=門真・守口・枚方・寝屋川・交野・大東・四條畷・東大阪・八尾・柏原、南部=大和川以南、阪神間=尼崎・西宮・芦屋・宝塚・伊丹・川西・三田・猪名川町。

中古戸建の成約価格(2025年12月・万円) 濃い青は3,000万円以上。
住宅の資産価値は北摂・大阪市・京都市・阪神間で3,300万円超、南部・奈良・和歌山で1,000〜1,800万円。資産価値が高い地域では「価値を守る・上げる」投資型リフォーム、低い地域では「安全に住み続ける」修繕型リフォームが通ります。

ニュータウンと郊外団地の「二度目の更新期」

  • 千里ニュータウン(豊中・吹田)は1962年、泉北ニュータウン(堺・和泉)は1967年に入居が始まり、いずれも60年前後が経過。エレベーターのない中層団地と1970年代の戸建が並び、住民の高齢化と設備の老朽化が同時に進んでいます。府と市が再生事業を進める地域です。
  • 1970〜80年代開発の郊外戸建団地(北摂丘陵、奈良・生駒、神戸北、京都南部など)は、入居世代が70代後半〜80代に入り、「親の家をどうするか」を子世代(40〜50代)が決める段階。実家のバリアフリー改修、相続後の再生・売却前リフォームの需要が発生します。
  • 大阪市・阪神間・北摂の中古マンションは㎡単価が上昇しており、購入者は購入後のリノベーション費用を物件価格に織り込みます。「買ってリノベ」の商圏はこの3エリアに集中しています。
CHAPTER 7

マーケティングへの示唆 ── 顧客層ごとに「誰に・何を・どこで」

第2〜6章のデータを、関西でリフォーム事業を展開する企業の広告・販促設計に落とし込みます。

顧客層母数の根拠売れる工事情報源(データ)有効な媒体・接点
A. 築30〜50年戸建の60〜70代大阪府で持ち家に住む高齢者世帯120万。1980年以前築の一戸建43万戸。耐震改修実施率1.7%水回り修繕、外壁・屋根、手すり・浴室のバリアフリー、耐震+断熱(補助金)いつもの業者29.6〜38.2%、チラシ15〜19%、ショールーム20.7%(60代)。テレビ・ネットは1割前後OB顧客の定期訪問・点検DM、新聞折込・ポスティング(築年でエリア選定)、地域イベント・ショールーム、介護保険住宅改修の受給事業者登録、紹介制度
B. 築20〜30年の40〜50代大阪府の1991〜2000年築住宅73.7万戸(17.6%)。子の独立・親の同居期キッチン・浴室の一新、内窓・給湯器の省エネ(補助)、間取り変更、外装インターネット計39.7%(40代)・29.7%(50代)。チラシ15〜16%。テレビは40代20.6%→50代6.9%検索広告(「地域名+リフォーム+部位」)、ポータルサイト(SUUMO・ホームプロ・リショップナビ)、Googleビジネスプロフィールの口コミ、施工事例のWeb公開、補助金シミュレーション
C. 中古を買った20〜30代近畿圏の中古成約 年3.5万件(2025年、+21%)。成約築年数29〜30年購入時の全面リノベ、水回り一新、デザイン・間取り。マンションは専有部フルリノベテレビ32〜36%、インターネット計32〜38%、SNS10〜15%、動画8〜14%。全国規模事業者を58.8%が選択Instagram・YouTubeの事例発信、不動産仲介との提携(購入と同時提案)、リノベ一体型ローンの案内、税制(中古取得後リフォーム促進税制)の説明
D. 築30〜45年マンションの居住者・管理組合関西のマンション167万戸、築40年超42.4万戸。大阪府マンション化率20.6%給排水管・浴室ユニット・内窓(補助対象)、専有部フルリノベ。共用部は大規模修繕マンション実施者は地元リフォーム専業32.2%が最多。ショールーム・ポータル同一マンション内の施工実績を掲示・DM、管理会社との連携、マンション向け内窓補助の説明会
E. 郊外・地方部の空き家所有者(子世代)関西の空き家155万戸。和歌山21.2%・淡路23.8%・但馬21.2%。奈良の高齢化率32.9%実家の再生(売却前・賃貸化・二拠点)、除却+建替え、バリアフリー所有者は40〜60代で他地域に居住。ネットで「実家 空き家 リフォーム」を検索自治体の空き家バンク・補助金と連動したLP、相続・不動産会社との提携、遠隔での見積・報告体制

媒体配分の考え方

紹介・OB客が最大の受注源であることを設計に組む

実施者の4人に1人が「いつも頼んでいる業者」に発注し、選定基準の1位は「担当者の対応・人柄」です。広告費の前に、過去顧客への定期点検・ニュースレター・紹介特典を固定費として置くのが最も確実な投資です。

チラシは「築年」で撒く

チラシは60代以上で2割弱が接触する現役の媒体です。住宅・土地統計調査の建築時期と、分譲地・団地の開発年(千里1962〜、泉北1967〜、郊外団地1970〜80年代)を重ねて、築25〜45年の街区に絞ってポスティングすると反響率が上がります。工事現場周辺への配布も同じ理屈です。

Webは「補助金」と「事例」で受ける

検討者の53.8%が補助制度の利用を望み、40代の情報源はネットが最多です。「内窓 補助金 2026 大阪」のような補助金×地域×部位の検索を受けるページと、実費の内訳を見せる施工事例が、予算310万円→実費405万円のギャップを埋める説明になります。

若年層はテレビ・SNS・動画と「全国ブランド」の土俵

20〜30代はテレビ32〜36%、SNS10〜15%と、マス・ソーシャルの接触が多く、全国規模事業者を選ぶ割合が高い層です。地域企業が取るなら、不動産仲介との提携で「物件を買った瞬間」に会うのが、ブランド認知の差を回避する最短経路です。

関西内でメッセージを変える

北摂・阪神間・大阪市・京都市(資産価値3,300万円超)では「価値を守る・デザイン・断熱性能」、南部・奈良・和歌山・播磨(1,000〜1,800万円)では「安全に住み続ける・補助金で実質負担を抑える」が刺さります。同じチラシを2府4県で使い回さないことが前提です。

「待たせない」「申請まで一括」を売る

技能者不足と4号特例縮小で、着工までの時間と確認申請の手間が顧客の不安になっています。着工目安日の明示、確認申請・補助金申請の代行、保証書の発行は、価格を下げずに選ばれる要素です。保証書発行率は業界全体で35%に留まります。

ご提案:貴社のデータをお預かりできれば、貴社商圏専用の戦略にできます

本資料は公的統計と業界調査に基づく関西全体の汎用版です。以下の情報をお預かりできれば、貴社の商圏(市区町村・町丁目単位)に落とした顧客分析と媒体配分をご提案します。

過去の受注台帳

受注日・工事部位・金額・顧客の住所(町丁目)・築年・年代。どの街区の、どの築年の住宅から、いくらの工事が来ているかを地図化し、チラシの配布エリアを決めます。

問い合わせ経路の記録

電話・Web・来店・紹介・ポータル別の件数と成約率。媒体ごとの受注単価と成約単価を出し、広告費の配分を見直します。

Web・広告の実績

Googleビジネスプロフィール、検索広告、ポータルサイトの管理画面データ。どの検索語・どの部位で問い合わせが来ているかを、補助金の時期と重ねて分析します。

OB顧客リスト

過去顧客の住所・工事履歴・最終接点。次の修繕サイクル(給湯器10年、外壁15年、水回り20年)を逆算して、点検DMの送付先と時期を設計します。

見積・失注の記録

失注理由(価格・時期・他社)と競合名。どの価格帯・どの部位で誰に負けているかを把握し、訴求と体制を調整します。

チラシ・折込の配布実績

配布日・エリア・部数・反響数。住宅・土地統計調査の築年データと重ねて、反響率の高い街区の共通点を抽出します。

進め方:データはExcel・CSV・管理画面のエクスポートのままで結構です。お預かりから約2週間で、商圏マップ・顧客層別の媒体配分・年間販促カレンダー(補助金の申請期間に合わせた訴求時期を含む)をまとめてご提示します。

SOURCES

出典と注意事項

  1. 矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2026年)」2026年6月29日。2025年市場規模7兆5,119億円(+2.5%)、2026年予測7.7兆円(+1.9%)。分野別増減率。 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4153
  2. 国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」2025年度計(2026年6月12日)。住宅受注高4兆9,033億円(+18.7%)、全体16兆4,104億円。
  3. 建設経済研究所「建設投資の見通し」2026年7月。民間建築補修投資の年度別推移(2019〜2027年度)。
  4. 国土交通省「建築着工統計調査報告(令和7年計)」2026年1月30日。全国74万667戸(−6.5%)、地域別前年比。 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kencha25.pdf
  5. 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」住宅及び世帯に関する基本集計・住宅の構造等に関する集計(2023年10月1日現在)。付表「都道府県別の主な指標」。 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
  6. 大阪府総務部統計課「令和5年住宅・土地統計調査 結果の概要(大阪府)」2025年2月28日。建築時期、所有関係、高齢者世帯、省エネ設備、耐震診断・改修、高齢者向け設備工事。 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/12205/r5jutyou.pdf
  7. 兵庫県「令和5(2023)年住宅・土地統計調査 兵庫県調査結果の概要」。地域別空き家率、持ち家率。 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk11/documents/r5gaiyo.pdf
  8. 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口速報集計」2025年10月1日現在。都道府県別人口・世帯数。 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/kekka/pdf/outline.pdf
  9. 総務省統計局「人口推計」2024年10月1日現在 第3表 都道府県、年齢(3区分)別人口。65歳以上割合は同表から算出。 https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2024np/pdf/2024tables.pdf
  10. 東京カンテイ「マンションストック戸数ランキング」「マンション化率」2025年末時点(2026年1月29日)。都道府県別ストック戸数・築40年超シェア・マンション化率。 https://www.kantei.ne.jp/wp-content/uploads/125karitsu-stock.pdf
  11. 大阪府「住宅建築物耐震10ヵ年戦略・大阪 中間検証とりまとめ」。2020年時点の住宅耐震化率約89%(木造戸建約80%)、耐震性不足約45万戸。 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/1883/chukan_torimatome.pdf
  12. 大阪市「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」2026年度拡充(対象を2000年5月31日以前に建築確認を受けた住宅へ拡大、改修補助1/2・戸建上限115万円)。 https://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000370839.html
  13. 住宅省エネ2026キャンペーン(国土交通省・経済産業省・環境省)。先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業、みらいエコ住宅2026事業の補助額・申請期間。各事業事務局公表資料およびYKK AP・リショップナビの解説ページ(2026年)より整理。
  14. 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「2025年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査報告書」2026年2月。実施者1,175人・検討者1,167人、2025年7月インターネット調査、人口構成比でウェイトバック。 https://j-reform.com/publish/pdf/jitsurei-R7-c.pdf
  15. 同「2025年度 住宅リフォームに関する事業者実態調査報告書」2026年2月。1,343社。 https://j-reform.com/publish/pdf/jitsurei-R7-b.pdf
  16. 国土交通省住宅局「令和7年度 住宅市場動向調査 調査結果の概要」2026年。リフォーム資金平均170万円(三大都市圏)、施工者の探し方、リフォーム促進税制の適用状況。 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002012489.pdf
  17. 公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)「マンスリーレポート ダイジェスト 2025年12月度」2026年1月14日。2025年の月別成約件数・価格、エリア別成約動向。年間件数は月別成約件数の合算、前年比は各月の前年同月比から逆算(Shido集計)。 https://www.kinkireins.or.jp/
  18. リフォーム産業新聞「住宅リフォーム売上高ランキング2025」2025年9月29日号、「業種別リフォーム売上ランキング2025」。 https://www.reform-online.jp/news/reform-shop/67245.php
  19. リフォーム産業新聞 企業記事(ナサホーム 2025年3月期、アートリフォーム 2025年7月期、山商リフォームサービス)。
  20. 国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和7年3月末現在)」2025年5月16日。 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001889275.pdf
  21. ホームプロ「大阪府のリフォーム会社ランキング」(大阪府対応139社、2025年9月〜2026年8月集計)、SUUMOリフォーム「関西版ランキング」(178社)。
  22. 日本経済新聞「建設業の人手不足とは 20年間で就業者14%減」2026年9月。建設業就業者・技能者数、年齢構成。
  23. 2025年4月施行 改正建築基準法(4号特例の縮小)に関する国土交通省資料および業界解説(SUUMOリフォームタイムズほか)。
  24. 千里ニュータウン再生連絡協議会、大阪府「泉北ニュータウンの再生について」。開発年・入居開始年。
注意事項:関西の市場規模「約1.25兆円」は全国値を持ち家戸数で比例配分したShido推計であり、公表統計ではありません。住宅・土地統計調査は標本調査で、数値は標本誤差を含みます。近畿レインズのエリア別数値は2025年12月の単月値で、件数の少ない地域の前年比は変動が大きいことに留意してください。消費者調査は全国調査で、関西固有の値ではありません。補助金の金額・期間は2026年9月時点の公表内容で、予算消化状況により変わります。