全国のペット関連市場は2025年度に1兆9,504億円(見込み)と伸び続けています(矢野経済研究所)。関西2府4県には約82万の犬の飼育世帯と約77万の猫の飼育世帯があり(当社推計)、当社の推計ではペット関連市場は約3,000〜3,150億円です。ただし中身は変わりつつあります。フードと動物病院への支出は10年で約6割増えた一方、子犬の平均価格は3年で約2割下がり、関西で犬猫を販売する事業所は5年で減りました。代わりに伸びているのはトリミング・ペットホテルなどの保管業です。本資料は、関西のペットショップが「生体を売る店」から「飼い主が通い続ける店」へ移るための材料を、公的統計と業界データからまとめたものです。
矢野経済研究所の「ペット関連総市場」(小売金額ベース)と、ペットフード協会・東京商工リサーチの数値で市場の流れを見ます。
環境省「動物愛護管理行政事務提要」の第一種動物取扱業の登録数(各年4月1日)と、経済センサスの小売統計で関西の事業者を見ます。府県の値には府県内の指定都市を足しています。
| 地域 | 第一種動物取扱業 計 | 販売 | うち犬猫等の販売 | 保管 | 訓練 | 展示 | 犬猫等販売の5年増減 | 保管の5年増減 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大阪府 | 3,724 | 1,560 | 960 | 2,551 | 433 | 353 | −8.9% | +15.8% |
| 兵庫県 | 2,265 | 934 | 660 | 1,430 | 271 | 194 | +0.3% | +16.4% |
| 京都府 | 1,011 | 411 | 301 | 652 | 135 | 87 | −5.3% | +12.2% |
| 滋賀県 | 613 | 288 | 233 | 355 | 42 | 53 | +14.2% | +14.1% |
| 奈良県 | 574 | 250 | 185 | 364 | 57 | 58 | +6.9% | +13.4% |
| 和歌山県 | 456 | 201 | 158 | 297 | 45 | 46 | −8.7% | +18.3% |
| 関西計 | 8,643(16.9%) | 3,644 | 2,497 | 5,649 | 983 | 791 | −3.2% | +15.4% |
| 全国 | 51,198 | 22,404 | 16,789 | 32,576 | 5,234 | 4,541 | +0.7% | +13.6% |
2025年4月1日現在。1つの事業所が複数の種別に登録するため、種別の合計は計と一致しません。「販売」には繁殖業者(ブリーダー)や、爬虫類・観賞魚の販売業者も含まれます。5年増減は2020年4月1日との比較です。
| 地域 | ペット専業小売の事業所(法人) | 従業者 | 年間販売額(億円) | 全業態のペット生体販売額(億円) | 全業態のペット用品販売額(億円) | Shido推計 フード・用品市場(億円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 大阪府 | 147 | 1,559 | 213.9 | 186.3 | 390.5 | 約785 |
| 兵庫県 | 90 | 897 | 129.5 | 107.0 | 199.3 | 約401 |
| 京都府 | 34 | 418 | 54.4 | 44.8 | 86.6 | 約174 |
| 奈良県 | 18 | 188 | 21.8 | 26.8 | 40.6 | 約82 |
| 滋賀県 | 17 | 119 | 13.7 | 38.2 | 39.4 | 約79 |
| 和歌山県 | 8 | 72 | 10.3 | 8.0 | 39.3 | 約79 |
| 関西計 | 314 | 3,253 | 443.7(17.7%) | 411.1(17.7%) | 795.7(14.8%) | 約1,600 |
| 全国 | 2,106 | 18,223 | 2,502.6 | 2,328.3 | 5,366.3 | 10,794 |
経済センサス‐活動調査2021(販売額は2020年)。「ペット専業小売」は主業がペット・ペット用品小売業(産業細分類6096)の法人事業所。「全業態」はホームセンター・スーパーなどを含むすべての小売店の商品別販売額です。
厚生労働省「衛生行政報告例」の犬の登録頭数(狂犬病予防法)と、当社の推計値から関西の飼い主の規模を見ます。猫には登録制度がないため、住まいの構成から推計しています。
| 府県 | 犬の飼育世帯 | 犬の頭数 | 猫の飼育世帯 | 猫の頭数 |
|---|---|---|---|---|
| 大阪府 | 34.2万 | 46.5万 | 32.8万 | 58.5万 |
| 兵庫県 | 23.2万 | 31.6万 | 19.9万 | 35.4万 |
| 京都府 | 9.5万 | 12.9万 | 10.0万 | 17.8万 |
| 滋賀県 | 6.6万 | 8.9万 | 5.2万 | 9.3万 |
| 奈良県 | 4.7万 | 6.3万 | 5.0万 | 8.8万 |
| 和歌山県 | 4.0万 | 5.5万 | 3.7万 | 6.5万 |
| 関西計 | 82.1万 | 111.7万 | 76.5万 | 136.3万 |
Shido推計。犬は登録頭数×1.128(全国の飼育頭数÷登録頭数)÷1.36頭/世帯。猫は府県の住宅構成(一戸建・集合住宅)別の飼育率×1.78頭/世帯。犬と猫の両方を飼う世帯があるため、足し合わせることはできません。
| 市 | 犬の登録頭数 2014年度 | 2024年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 大阪市 | 89,423 | 100,645 | +12.5% |
| 堺市 | 41,739 | 49,725 | +19.1% |
| 東大阪市 | 25,619 | 25,720 | +0.4% |
| 枚方市 | 18,848 | 19,015 | +0.9% |
| 高槻市 | 15,494 | 16,192 | +4.5% |
| 豊中市 | 15,409 | 15,524 | +0.7% |
| 京都市 | 59,253 | 57,670 | −2.7% |
| 神戸市 | 82,633 | 68,557 | −17.0% |
2024年度のみ取れた市:姫路31,005、尼崎27,696、西宮23,674、和歌山21,431、大津17,778、吹田16,337、奈良15,938、八尾14,687、明石14,035、寝屋川12,830。
ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査2025」から、犬猫をどこから迎え、フードや用品をどこで買っているかを見ます。地域別の値は公表されていないため全国の数値です。
総務省「家計調査」(二人以上の世帯)と、アニコム損害保険の飼い主調査から支出の変化を見ます。
| 1頭あたりの年間支出(アニコム調査) | 犬 2025年 | 前年比 | 猫 2025年 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 病気・けがの治療費 | 89,120円 | +10.9% | 47,130円 | +45.2% |
| フード・おやつ | 80,029円 | −3.3% | 62,613円 | +2.2% |
| シャンプー・カット・トリミング | 50,575円 | −3.4% | 3,455円 | +0.6% |
| ペット保険料 | 44,879円 | −3.2% | 28,207円 | −5.3% |
| ワクチン・健康診断 | 34,024円 | −3.6% | 14,295円 | +2.3% |
| 日用品・洋服・首輪など | 32,549円 | −3.9% | 13,487円 | +7.1% |
| ペットホテル・シッター | 8,291円 | +17.0% | 2,679円 | +35.2% |
| 合計(その他を含む) | 413,416円 | −0.2% | 195,427円 | +9.5% |
アニコム損害保険「ペットにかける年間支出調査2025」(2026年3月、同社のペット保険の契約者、犬3,974・猫1,107)。保険に入っている飼い主の調査のため、平均より高めに出ます。「日用品・洋服・首輪など」は日用品・洋服・首輪リードの合計。
主要チェーンの関西の店舗数を、2026年9月22日に各社の公式店舗検索から数えました。
| 企業 | 売上 | 店舗 | 動き |
|---|---|---|---|
| イオンペット(ペテモ) | 営業収益 約485億円(2024年度) | 用品販売195、サロン173、ホテル155、動物病院44 | イオンのショッピングセンター内で用品・サロン・病院を一体運営 |
| Coo&RIKU | グループ年商273億円(2023年度) | 全国218 | 生体販売の最大手。関西は27店 |
| ペッツファーストHD | 売上147.5億円(2024年2月期) | 全国121 | 2025年にアークランズ(ビバホーム)の子会社に。2026年7月に同社で会計の疑義が判明し、特別調査委員会を設置 |
| コーナン商事(ホームセンター) | 営業収益5,198億円(2026年2月期、全事業) | 生体売場のある店 全国180 | 大阪本社。関西の生体売場98店。2026年にペット専門店も持つアレンザを持分法適用会社に |
| ユニ・チャーム(ペットケア事業) | 1,561億円(2025年) | – | 2019年の870億円から1.8倍。フード・用品のプレミアム化 |
2019年の動物愛護管理法改正で導入された規制が、2024年までに段階的に完全施行されました。
| 規制・制度 | 内容 | 施行 |
|---|---|---|
| 飼養管理基準(数値規制) | ケージの広さ(犬は縦が体長の2倍・横1.5倍・高さは体高の2倍)、従業員1人あたりの上限(犬20頭・猫30頭)、雌の交配は原則6歳まで・犬の出産は生涯6回まで | 2021年6月(既存業者は2022〜2024年に段階適用) |
| 8週齢規制 | 生後56日を過ぎない犬猫の販売・引渡しを禁止 | 2021年6月 |
| マイクロチップの装着・登録義務 | 販売業者に装着と登録を義務づけ。登録は約249万頭(2025年度)に | 2022年6月 |
| 環境省の一斉調査 | オークション会場で生年月日の改ざんが強く疑われると公表。調査したブリーダー約1,400事業所のうち約700事業所で違反 | 2024年2月公表 |
| 行政処分 | 2024年度の第一種動物取扱業の登録取消命令は全国2件で、2件とも大阪府 | 2024年度 |
ここまでのデータから、関西のペットショップが取るべき打ち手を整理します。
犬1頭に年約41万円、生涯で約278万円かかります(ペットフード協会)。生体の価格は下がっても、その後のフード・トリミング・ホテル・保険の支出は伸びています。お迎えの時点で、フードの定期便・トリミングの予約・しつけ教室をセットにした「最初の1年のプラン」を用意し、来店が続く状態から始めます。
Shidoができること:「最初の1年のプラン」の案内物・パンフレットの制作(デザイン)、フード定期便やトリミング予約を受けるネットショップ・予約ページの制作(EC構築・運用)、来店後のLINE公式アカウント配信設計(SNSマーケティング)。
関西の保管業は5年で+15.4%、ペットホテルへの支出も前年比+17%(犬)・+35%(猫)です。旅行や帰省、共働きで預け先の需要は増えています。予約のしやすさ、預け中の写真・動画の配信、送迎で選ばれる理由をつくります。
Shidoができること:ペットホテル・トリミングの予約ページの制作(Webサイト・コンテンツ制作)、預け中の写真・動画を届ける仕組みの設計(SNSマーケティング)、施設紹介動画の撮影(撮影・映像制作)。
大阪府の犬の登録頭数は10年で+7.6%、堺市は+19.1%、大阪市は+12.5%と増えています。一方で神戸市は−17.0%です。市・区単位の登録頭数とその増減を見て、出店・チラシ・Web広告の配分を決めます。
Shidoができること:市・区別の登録頭数と増減を見る商圏分析(リサーチ&インサイト)、対象地域向けのチラシ・Web広告の配分設計(デジタルマーケティング/マス・メディア広告)。
7歳以上は犬の54%・猫の45%で、猫の治療費は1年で45%増えました。シニア用フードの相談、介護用品、動物病院との連携、シニア向けのトリミングは、ネット通販にはまねしにくい店頭の価値です。
Shidoができること:シニア向けフード・介護用品・トリミングの相談を伝えるPOP・チラシの制作(デザイン)、シニアの犬猫向けコーナーの紹介ページの制作(Webサイト・コンテンツ制作)。
数値規制・8週齢規制・マイクロチップの義務化で、飼い主の目は厳しくなっています。繁殖元の情報、飼養環境、スタッフ1人あたりの頭数、健康保証の内容をWebと店頭で開示すると、生体販売への不信を持つ層にも選ばれます。保護犬猫の譲渡会の開催も、地域での信頼づくりになります。
Shidoができること:繁殖元・飼養環境・健康保証を開示するWebページと店頭掲示物の制作(Webサイト・コンテンツ制作/デザイン)、店内・飼養環境の撮影(撮影・映像制作)。
用品の買い場はホームセンター(55%)・ネット通販(41%)・ドラッグストア(34%)に分かれ、ペットショップは約3割です。同じ商品の価格競争を避け、犬種・年齢・体調に合わせた選び方の提案と、LINEでの相談窓口で、購入先をペットショップにまとめてもらいます。
Shidoができること:犬種・年齢別の用品の選び方ガイドの制作(デザイン)、LINEでの相談窓口の設計(SNSマーケティング)、用品を提案つきで販売するネットショップの構築・運用(EC構築・運用)。
本資料は公的統計と業界調査に基づく関西全体の汎用版です。以下の情報をお預かりできれば、貴店の商圏と顧客の実態に合わせて、狙うべき顧客層・エリア・広告媒体・再来店の施策をご提案できます。
犬種・猫種・年齢・住所の町名・初回来店日・最終来店日。どの町から、どんな飼い主が来て、何か月で来なくなるかを地図と数字で出します。
犬種別の販売数・価格・在店日数、お迎え後の再来店率。売れ筋と、販売後につながる顧客を見つけます。
曜日・時間帯別の予約、リピート間隔、キャンセル。空き枠を埋める施策と、次回予約の取り方を設計します。
Web・Googleマップ・SNS・チラシ・紹介ごとの来店数と購入率。経路別の獲得単価を出し、広告の配分を見直します。
検索語句・経路検索・電話数、口コミの内容。近隣の競合店と比べた見え方を点検します。
商品別の売上と購入間隔。定期購入やLINEでの案内に向いた商品を選び、ネット通販への流出を防ぎます。
進め方:データはExcel・CSV・レジや予約システムのエクスポートのままで結構です。お預かりから2週間で、商圏と顧客の分析、狙うべき顧客層とエリアのリスト、広告媒体と予算配分、お迎え後1年の再来店施策をまとめてご報告します。